最近、シンクライアントが流行っている。
シンクライアントとは、PCからHDDを除いたものと考えてよい。
かつてシンクライアントは失敗したのだ。
それが復活した理由は、内部統制にある。
かつてのシンクライアントブームは、コストダウンが目的だった。
しかし、HDD分だけ安くしても高が知れている。逆に、市販品と異なるため量産効果が作用しなかった。
さらに、シンクライアントの中には端末相当のものがあり、サーバ側でアプリケーションを実行する必要があった。これらの製品では、まともに使おうとするとクライアント1台に対してサーバが1台必要になるという、笑えない話が現実に起きた。
このような問題点があったにもかかわらず最近になってシンクライアントが流行る理由は内部統制のためである。
つまり、コストより危機管理の方が重要になってきたということだ。
また、最近のシンクライアントはネットワークブート型が多く、起動してしまえば通常クライアントと変わらない。
つまり、致命的な効率の問題が解決されたわけだ。
しかし、まだ問題点はいくつか残っている。
端末方式でなくなった分、情報が漏洩する可能性は逆に増えたであろう。これはブートしたOSで余計なデバイスを禁止しておけばよい。わずかな手間でできる。
また、端末方式でなくなると、クライアントの故障はデータの紛失を意味する。ただし、現在作業中のアプリケーションのデータのみが紛失する程度なので損害は軽微である。
また、クライアントのHDDをサーバ側に用意するには大容量ストレージが必要になる。HDDのコストを考えると、コスト的には見合わない。しかし、今回のシンクライアントはコストが目的ではないので気にしない。
データをサーバに保存するため、常にサーバとの通信が必要になる。モバイルには適さない。モバイルは内部統制になじまないため、モバイルを排除することは歓迎される。また、データの読み書きで通信が発生するためネットワークがボトルネックとなる。クライアントの性能を十分活用できない。これもある意味、コストの問題なので、気にしない。ネットワークは十分な帯域が必要だが、ここにもコストをかければよい。
このように、主な問題点はすべてコストに目をつぶることで解消している。
しかし、そもそも利益を追求する会社がコストに目をつぶってもよいのかという問題は最後に残る。
保険の範囲を超えないことと、仕事の能率(社員のやる気)を落とさないことが重要だ。
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