2010年8月7日土曜日

Plustek OpticBookによる電子ブックの作り方(2)

OpticBookにはScanSnapに比べてメリットがある。そこで、OpticBookでより効率的な作業の方法を考えた。
スキャン作業は、これ以上効率を上げることは難しい。スキャンを効率化するには、もっと特別なスキャナが必要だ。そこで、それ以降の処理に要する時間を短縮する。
ページの回転とPDFの作成はいずれもImageMagickを使って容易に自動化できる。具体的な手順を説明する。
まず、スキャン処理においてDocActionの設定を変更する。自動切り抜き、自動傾き補正はもちろんだが、保存設定で保存フォルダを指定し、スキャンと同時に保存するようにする。また、日付でなく連番にする。連番だとページ番号に対応するので、どのページを回転させればよいかがわかりやすい。このように設定した後、全頁をスキャンすると、ImageFolioでは何もせずに終了してよい。
ページを回転するには、大まかに偶数ページと奇数ページのどちらを回転させるべきか決める。各ページを回転させるには、ImageMagickのconvertコマンドを使う。
convert -rotate 180 image%05d.jpg image%05d.jpg
ここで、%05dの部分に回転すべきページ番号をあてはめる。簡単なプログラムを書いて、バッチファイルを生成すればよい。例えば、奇数ページのみ回転する場合には以下のようなバッチになる。
convert -rotate 180 image00001.jpg image00001.jpg
convert -rotate 180 image00003.jpg image00003.jpg
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ここで、作業を楽にするために必ず回転すべきページが奇数か偶数かのどちらかになるようにあらかじめ調整しておくとよい。つまり、たとえ空白ページでもスキャンしておくか、きれいな空白ページを生成して挿入するかいずれかだ。小さな空白イメージを用意しておき、それをconvertで任意のサイズに変更すればよい。
convert -resize 1000x1000 white.ipg image0000X.jpg
サイズは他のページに合わせて決める。多少いい加減でもかまわない。表紙と同じでよいだろう。
最後に、convertで全頁を結合してPDFへ変換する。
convert *.jpg output.pdf
このような方法を用いると合計25分を要した作業(2),(3)は5分ほどに短縮される。手作業で回転していた分をほぼ0にできる。
少数のページを回転するときは、convertを使う方が面倒なので、いったんPDFに変換した後でPDFの回転ツールを利用した方がよい。
ScanSnapには自動でページの上下を判定し、回転してくれる機能がある。このような機能がDocActionにあれば、もっと楽になるはずだ。convertを使う必要は全くなくなる。早く改善してほしいものだ。

補足
と書いた後で、DocActionに画像の向きを設定するオプションがあるのに気付いた。当初は「自動回転(アジア言語には適用されません)」とあるので、使えないかと無視していたが、偶数か奇数かで180度回転するオプションがある。これでおおまかに回転させ、もしも偶数と奇数が違った場合はさらに全頁を回転させ、残りのページをPDFツールで回転させるとよいだろう。

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