2008年4月3日木曜日

会社経営はサッカーではない

サッカーの指導者が代表チームをワールドカップへ導くと、すばらしい指導者だといわれ、経営の手本にしようとする。それ自身かなり?な話だが、ここで問題にするは、それとは少し違う話だ。
サッカーで勝つための方法論には、負けないことというのが通用する。しかし、負けない経営は通用するのだろうかという疑問だ。
負けない経営とは、ある意味では手堅い経営だが、シェアを守ることに固執したり、評判を守ることに固執することにつながる。
成長はS字であり、どこかで飽和する。シェアは伸びなくなり、評判もそれ以上は上がらなくなる。そのマンネリを打破するには攻撃的でなければならない。サッカーならシュートは1本でもゴールに入れば勝てるだろう。しかし、経営では確実にヒットする1本に頼るのは下作だろう。確実にヒットするなら誰もが参入する。よほどの参入障壁がなければならない。
元気の良い会社はどちらかといえば攻撃型だ。多少の守備のまずさは大目に見て、それでもなお攻撃の手を緩めない。守備型は1本のシュートに賭け、当たれば勝てるが、逆に1本でもシュートを決められると負ける。
一般論はあまり意味がないかもしれない。この守備型の問題点を指摘したいのは、昨今のITが守備面ばかりに集中しているように思えるからだ。例えば、セキュリティ、コストダウン、情報漏えい、J-SOXなどいずれも守備的ITである。これらに投資しても企業の売上は増えない。コストダウンがそこそこ効果があるくらいだ。
しかし、企業たるもの、ある程度のハイリスクハイリターンが狙いだろう。債権なみの成長率では投資の意味がない。
そのためには攻撃的IT投資をしなければならない。
しかし、そのような投資はベンチャーばかりが先行し、大企業は守備にまわってばかりいる。
確かに大企業を動かす慣性は大きく、重いかもしれないが、どこかの本に書いてあったように、動かなければチーズは手に入らない。
サッカーで守備型戦略が通用するのは人件費がかからないからだ。人件費がかかると、何もしなければ支出ばかりが増えて倒産する。もし、サッカーでもボールが自陣にある間に減点されるというルールがあれば必然的に攻撃型にならざるをえないだろう。

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