2008年12月1日月曜日

電車のない鉄道会社

都心では地下鉄と私鉄の相互乗り入れが盛んだ。観測者の立場に依存するかもしれないが、どうも地下鉄側が一方的に私鉄の路線を走っているように思える。逆の例はまれなようだ。電車の構造に問題があるのかもしれない。
これは一種のアウトソーシングといえる。このような現象が起きるのは地下鉄と私鉄の双方にとってメリットがあるからだ。どちらにとっても人件費を抑制しながら利益を増やせる。ようは電車という資源を無駄なく使うことができるということだ。おかげで利用者は電車の本数が増えて便利になる。もっともコストを割ってまで電車を増発することはないので、利用者の増加が見込める場合に限られる。
これをさらに進めると電車を持たない私鉄が登場するかもしれない。私鉄側は電車の開発コストと人件費をすべて省略できる。鉄道会社にとって重要なのは、路線の土地だけだ。競合他社は土地を取得しない限り存在しない。それは不可能に近いので独占的に利益を得られる。公害へ向かう私鉄に事実上の敵はいない。JRと重複していなければそれでよい。しかし、地下鉄は今後も路線が増える可能性があり、電車の開発や運転手の確保などが必要だ。その経営資源を有効に活用するには近郊への運行もする必要がある。その利益を競争力確保にあてる必要があるからだ。だとすれば、両者の思惑が一致し、全面的に運行を依頼する可能性も皆無ではない。
もっとも、地下鉄も自社の経営が一番であるから、資源を有効に活用できないほど遠方へ送るわけにはいかない。よって、都心近郊の各駅に使われることが多い。もう少し発展すると郊外への特急にも使われるかもしれない。

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