2008年5月16日金曜日

論文か患者か

医者の業績評価は難しい。
研究者なら論文、教師なら教育で評価される。学者は両方だが、一般的には両立できると考えられている。
しかし、医者の場合、論文と患者(臨床)を両立させるのは難しいだろう。
例えば、京大の山中教授が臨床に時間を費やしていたらiPS細胞の開発に後れを取っていただろう。もっとも山中教授が臨床をしているのかどうかを私は知らない。たぶんしている時間はないだろうと推測する。
病院の臨床は大学の授業より多くの時間を費やすだろう。特に外科手術は数時間に及ぶことも珍しくない。
そのため、論文か患者かで業績の傾向が二分されると思う。これを公平に評価するのは難しい。
極端な言い方をすれば、人命と何本の論文が釣り合うのかということだ。
しかし、iPS細胞のように1本の論文が何人の命を救うかもしれない(今はまだ可能性だけだが)。
最近の世論は論文より臨床を重視してきているように思える。しかし、論文も重要であることを忘れてはいけないだろう。

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