Chrome OSについてはいつかコメントしたいと思っていたが、その正体がつかめずにコメントを控えていた。いまでも、その正体を正確に把握しているわけではない。今回は、Chrome OSの正体を想像してみるという企画だ。
Chrome OSは、その名の通りGoogleのブラウザであるChromeをOSにしたものだ。ネットブックなどインターネットに常時接続する用途の端末に特化している。本来ブラウザであるChromeをベースにしているので基本的にはWebしかアプリケーションはない。しかし、今日ではWeb上にあらゆるアプリケーションが移植されているので、Webだけで十分という判断だろう。
同じような発想のOSにWeb OSがある。Web OSにはいくつかあるが、いずれもブラウザの中だけで動作する。しかし、既存Web OSでは、ブラウザを変更しないため、ストレージはサーバ側にある。サーバ側にフルセットのプラットフォームを用意しなければならない。また、Web APIを用いてアプリケーションをWeb OS用に修正しなければならない。この2つの問題点によりなかなか普及しない。
実は、Web OS以前にもMicrosoftに挑戦し敗れたOSがあった。それはJava OSだ。Java OSではJVMさえ動作すればよい。しかし、Javaアプリしか動作せず、Javaへの移植も進まなかったため失敗に終わった。Web OSは同じ失敗を繰り返しているともいえる。少しはましといえるのは、Javaアプリに対してWebアプリの方が種類が多く、少なくともブラウザ機能はあるため、全くアプリがないという状況ではないことだ。
もしChrome OSが単なるWeb OSだとすればGoogleといえども失敗すると断言できる。
しかし、私の考えではChrome OSはWeb OSではない。ある意味ではWeb OSと近いが発想はまるで逆だと思う。Web OSがサーバ側の資源を使うのに対して、Chrome OSはクライアント側の資源を使うはずだ。それこそが勝利のカギと言える。
Chrome OSの正体を予想すると、それはおそらくPOSIX互換ないし代替のアドオンAPIだろう。これによりChromeアドインおよびJavaScriptアプリからPCの資源へ直接アクセスする道を開く。
代表的なデバイスに対する標準的なデバイスドライバを備え、しかもインターネットから常時最新のドライバをダウンロードして更新するのだろう。そのためには少なくともネットワークデバイスのドライバだけでは汎用的でなければならない。このあたりのドライバの整理はAndroidで培ったものだろう。Androidが十分軽量にできたため、ブラウザに梱包が可能となったという言い方もできるのかもしれない。
しかし、OSの機能にはデバイスドライバだけでは不十分なものもある。例えば、ファイルシステムだ。ディスクドライバだけではなく、ファイルシステム(サーバ)も必要となる。これもフォーマットを限定することでコンパクトに実現できたのだろう。そのため大したファイルシステムは期待できない。exFATだけしかサポートしていなくても驚くには値しない。
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