2009年12月17日木曜日

マレーシア

クアラルンプールに出張した。全体的な感想は、とてもよい。今も今後も楽しみな国の一つだ。しかし、問題がない訳ではない。長所と短所を織り交ぜて話そう。
まず、長所から始める。最大の利点は英語が通じることだ。言葉に不自由しないので、思い切って行動できる。観光には大切なことだ。日本は言葉がネックで観光を推進できないのと好対照だ。
英語が通じるのは英国植民地時代の名残だろう。同様に車が左車線で、右ハンドルなのも日本人には都合がよい。
空港からは電車もあるが、タクシーで市内まで1時間ほどで着く。ガイドブックより所要時間が長いのは渋滞のせいだ。これは短所で詳しく述べる。しかし、空港から市内まで十分近く、空港も大きい。日本にはうらやましい話だ。
車の所要率は繁栄のバロメーターだが、多すぎるほど普及している。活気があり、今後の発展も確実だろう。科学技術への取り組みも好感が持てる。
観光資源は豊富にあるが、決して多すぎない。これは満喫感を味わうにはほどよい。今回は観光する時間がほとんどなかったので、本当はたくさんあるのかもしれない。
ここまでは長所を書いたが、わずかな滞在でもいろいろな問題点が見えてきた。ここから短所について書く。
まず文化の違いを如実に反映しているのがトイレだ。イスラムの影響だと思うが、トイレに必ずシャワーがある。手を洗うためだ。それゆえ、時折トイレットペーパーがないこともある。なくても困らない人が多いのであまりチェックされていないようだ。もちろんホテルや大半の場所では問題ない。しかし、油断もできない。ティッシュは忘れてはいけない。できれば流せるティッシュがよい。
クアラルンプールの日常で市民も困っているのは日々の渋滞だ。車の普及、すなわち経済発展にインフラが追いつかない。中央部では混雑時に全く進まなくなる。これを避けるように遠回りするのでタクシーの料金は高くなる。タクシーでないと行きにくい場所も多いが、残念ながらタクシーはあまり信用できない。この話は後でするとして、公共交通機関の整備が急務だ。
今、モノレールがあるが、たった2両しかないので、十分とはいえない。モノレール自身が混雑するので、なおさら敬遠される。やはり地下鉄が必要だ。急場を凌ぐために時間制バスレーンを導入してもよいかもしれない。バス自体も増やす必要があるだろう。車が多過ぎる一方で、自転車はほとんど見かけない。確かに車と共に走れるとは考え難い。しかし、自転車で走れると市民には手軽な交通手段になる。これは住居とも関係するのかもしれない。
住居の多くは郊外にあり、そこから通うのだろう。しかし、郊外と市内を結ぶ交通網が不十分なため、車に頼らざるを得ないのかもしれない。郊外の家は日本の家屋より広くて立派そうだが、画一的だ。ほとんどが赤い屋根と白い壁だ。もっとも団地のようなものなのでやむを得ないのかもしれない。
住が話題になったので衣食についても語ろう。
食はインドネシアと共通している。やはり香辛料の多い食事だ。飲み物は妙に甘いものが多い。個人的にはコーヒーがまずいのに困った。スターバックスはあるが、それ以外との差が大き過ぎる。おそらく辣い食べ物と合う飲み物が多いのだろう。香辛料の後のエスプレッソはさすがにきついだろう。しかし、すべての食べ物が辛い訳ではない。
衣の代表は土産としても有名なbatikだ。独特の染物だ。ファッションショーも行われているようだ。
土産つながりでpewterも紹介しておこう。白目といい、錫の合金だ。熱伝導率が高いので冷たいビールをキリキリに冷やせる。やはりビールジョッキが定番だろう。
最後に残していたタクシーの話をしておこう。タクシーは英語が通じるので便利だが、あまり信用できない。同じ所へ行くのに大きく差が出る。下手をすると10倍違うこともあるのかもしれない。実際、RM7で行った人もいれば、平均30くらいで、もっと高い人もいたようだ。ぼったくりもあるだろうが、タクシーのグレードや渋滞が大きく関係しているように思える。
マレーシアには石油が出るそうで、昨今の原油高でかなりの利益が出ただろう。しかし、その利益を十分に還元していないように思える。郊外に立派なホテルを建てて裕福な観光客を呼び込もうとしているようだが、ドバイの真似をしても意味がない。その前にインフラを整備すべきだ。まだ足元がおぼつかないのに、高望みしても得るものはないだろう。

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