といっても病院の情報システムの話しではない。臨床は例えだ。SEのスキルを磨くには多くの事例を手がけた方がよい。医学部が病院で医学を実践するのと同様に、情報システムの開発を実践する場が必要だ。それを臨床情報学と呼んで見た。
学問とはいえないかもしれないので、いささか大げさな呼称ではある。
しかし、これは簡単な話ではない。そもそも大学に十分なシステム開発の能力があれば、最初から学内のシステムを自前で構築していただろう。かつてはどこでもそうだった。しかし、システムが複雑化した結果、困難となった。病院で研修すれば、すぐにできるようになるというレベルのものではない。何年も経験した人にとっても複雑なことが素人にできるとは思えない。
実際、大学の開発力はそれほどたいしたものではない。一部には優れた人もいるが少数派だ。大多数は目標を定めるか設計を行うだけで実装は別人に依頼する。よって予算が取れなければ成果も出せない。しかし、この状態を改善するための方策が臨床情報学だが、にわとりと卵の関係に似ている。もっとも、これには答えがあり、明らかにスキルアップが先なのだ。
もう一つ問題点をあげると、研究と開発は違うということだ。極論をいえば、開発の目的はプログラム自身であるが、研究の目的はそれが生み出すデータである。両者にはセキュリティやバグに対する大きな違いがある。
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