2008年8月26日火曜日

PS3をPCに

Appleは好調だ。PCが低価格にシフトするなかで、MacBookなどは価格を維持している。原料に比べて高く売れるので利益率がよい。おそらくAppleの利益率はASUSやHPなどの低価格PCに比べて極めて高いだろう。これには理由がある。
1つの理由は、OSを含めた独自性がよい方向で評価されたためだ。DTPなどの限られた分野で根強く支持されてきたものの、少し前までMacはビジネスでは使い物にならないといわれた。今でもその傾向がないわけではないが、ビジネスシーンでも多くの人が使い始めている。1つはIntelのCPUを採用し、仮想マシンを使えばWindowsが動作するためでもある。しかし、仮想マシンに頼るだけではなく、Officeが移植されているという理由も大きい。MicrosoftがOfficeを移植したのはMacの市場が無視できないものだからだろう。それは、元をただせば、もう1つのOSであるMac OS Xの成果ともいえる。
Windows全盛期にあって独自OS路線を堅持したのは大きな決断だったろう。しかし、勝算がないわけではなかったろう。なぜならOSSとしてOSを開発できたからだ。FreeBSDがなければMax OS Xもなかったろう。
PCの価値を高めたいと苦心しているのは日本メーカーも同じだ。しかし、Appleほど思いきることはできないでいる。OSを開発することは非常に大きな労力を要するということだ。同じ戦略をとりたいと思って考えたメーカーは少なくないだろう。しかし、不況や人材不足、マーケティングなどの結果、異なる道を歩むことを決めたのだろう。しかし、その結果、好調なApple対不調な国内メーカーという図式が完成してしまった。
もし遅ればせながら今からでもAppleのような戦略をとれるメーカーがあるとすれば、Sonyではないかと思う。SonyにはPS3があるからだ。PS3はIntel CPUではないという問題があるものの、PCを凌駕する性能を持つ。ある意味ではPS3こそ最も速く最も安いPCだともいえる。ゲームの利益を担保に破格の値段で供給できるからだ。しかし、だからこそPCにできなかったともいえる。このままPS3が低迷するようなら、いっそPCにしてしまうのも手ではないだろうか。
その時にはLinuxを採用するのだろう。しかし、Linuxデスクトップには多くの問題が残っている。サーバでは成功しているLinuxも、デスクトップはまるでWindowsに歯が立たない。それをどのように克服するか、Mac OS Xなみのデスクトップを実現できるかがカギとなるだろう。

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