SharpのNetwalkerはブラウジングに特化したモバイル端末だ。電子辞書と同サイズでありながら、一般的なOSがインストールされている。かつてのZaurusが蘇ったようだ。
iPhoneなどのスマートフォンと異なる点は、広い画面とフルキーボード、その代償としての重さと大きさ、そして汎用OSが動くことによる汎用性と拡張性だ。OSはUbuntuであり、そのアプリケーションを利用できる。例えばOpenOfficeがインストールされている。もちろん3Gで通話できない。
ネットブックとの違いは、CPU、OSだ。CPUはAtomでなくArmだ。OSもWindowsでなく、Ubuntu Linuxだ。そのため、Netwalkerにはネットブックほどの機能や便利さ、アプリケーションはない。
つまりはスマートフォンあるいはPDAとネットブックの中間に位置する製品だ。PDAより広い画面、つまりPCと同等の画面でPCと同じブラウザを使える。ただしOSの違いからできないことも多い。また、ネットブックより小さく軽いので、持ち運びが楽だ。
かつてのZaurusはOSこそ汎用であったが、ブラウザもOfficeもPCとは大きく異なっていた。画面も小さかった。ZaurusはPDAに分類されていた。今、Netwalkerが新たなカテゴリを提案している。
実際、このカテゴリはこれから有望だ。Google Chrome OSが狙うカテゴリとも一致する。ただしChrome OSの方がネットワークに対する依存度が高い。
Netwalkerは確かにiPhoneよりブラウジングに適している。不完全ながらFlashが使える点も大きい。NetwalkerのFlashはバージョン8だ。
しかし、少し使っただけだが、問題点も見えてきた。以降は長所と短所を織り交ぜながらコメントする。
マウス代わりのOptical Pointはスムーズに使える。トラックボールが機械式マウスを逆さにしたのと同様に、Optical Pointは光学式マウスを逆さにしたようなものだ。Netwalkerは画面が広ためポイントするには高い精度が必要になる。これにはぎりぎり合格といったところだ。ウィンドウを閉じる時に神経を使う。秀逸なのは、位置決めとスクロールの2つのモードがあることだ。しかも、このモードをボタン1つで切り替えることができる。
画面はタッチパネルになっているが、ほとんど使っていない。解像度が高くて指で押せないからだ。付属のスタイラスペンで指せばよいのだが、本体に収納できないので、持ち運ばない。
バッテリは折り曲げ部分に位置するので、重量配分もそこに集中している。両手で持って使う時にキーボードの両端をつかむと、バッテリの重みを意識する。ポインタはキーボード上部に位置し、両手の親指で操作する。その状態では人差し指がバッテリ下を支えるので、きちんと保持できる。問題はキーボードをタイプする時だ。広いピッチのキーボードといえば使いやすいように思えるかもしれないが、広すぎて親指だけではカバーできない。片手を離す度に、重量バランスがくずれる。要するに両手で持つには申し分ない重さだが、片手で持つには重い。さらにキーを両手で同時に押さなければならないこともある。そのような場合、液晶側から落ちそうになる。要はバッテリから手を離すとバランスが悪いのだ。
個人的には、キーボードは親指が届くところに集中していた方がよいと思う。無意味にキーが大きいと感じる。キーとキーの間隔をきちんと開けることで押し間違いをなくすようにしていればよい。本体のサイズにキーボードのサイズを合わせる必要はない。むしろ、キーの組み合わせを減らすためにキーの数を増やした方がよい。
例えば、ウィンドウを切り替えたり、アイコン化したり、閉じたりするキーが欲しい。これらをOptical Pointで行うのはいささか細やかな作業になるからだ。
アプリケーションの起動には若干時間がかかる。間違って2回起動してしまいそうだ。Chrome OSの起動時間にも匹敵する。これはCPUが非力なせいだろう。駆動時間との兼ね合いもあるが、もう少しパワーが欲しい。
実際Eclipseを動かそうと試みたが、うまくいかなかった。フリーズしたようなので再起動せざるを得なかった。完全なUbuntu PCにはならない。
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