最近、「~の安全と安心」という題の講演が増えてきたような気がする。
「~」には「食」や「情報」などが入る。
このような講演の場合、特に情報系では、「安全=セキュリティ」という話題であることが多い。しかも、ほとんどの場合、それしかない。
言い換えると、「~の安全」という話しか聞かない。つまり、「安心」の話がほとんどない。安全と安心はいつから同義語になったのだろうか?
私の解釈では、安全とは脅かされても守られていることで、安心とは脅かされても気にならないことだ。安全は技術的に保障すべきだが、安心は心理的・社会的・制度的に保障すべきだ。
例えば、セキュリティ技術は安全を実現する。安全なら安心でもある。しかし、安全でない場合でも安心できる場合がある。例えば、保険だ。脅威によりお金を失っても、それを補てんしてくれるなら心配しなくてもよい。もっとも安易な安心は無関心につながるので、かえって危険かもしれない。少ない額でも安心を得るための対価を払うことが、関心を維持する上で重要だろう。
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