2009年3月30日月曜日

Lモード

Lモードというものを知っているだろうか?
2010年の3月末をもって、Lモードのサービス終了が決まったそうだ。
個人的には、Lモードには結構期待していた。それは見る目がなかったと言うことかもしれない。
Lモード登場時の時代背景は携帯の爆発的な普及に対して固定回線の下降が現象としてはっきりしてきたことにある。当時携帯で出たばかりのiモードの成功にならって、固定電話でLモードが考案された。
基本的な考えは悪くないと今でも思う。普及していれば、PCを使わず、バリアフリーの情報端末となったはずだ。この種の成功例はフランスのminitelだ。しかし、それすら今日の失敗を予見していたとも言える。なぜなら、minitel自体がインターネットの普及に逆らえなかったからだ。ただし、minitelがあまりに便利だった性でフランスのインターネット普及が遅れたという説もあるくらいだ。しかし、どんなに便利だったかよくわからないが、結局はインターネットに負けた。
Lモードはインターネットと携帯の両方に挑んで、完敗したと言える。
まず、PCでインターネットを使う人はLモードを使わない。PCの立ち上げよりLモードの方が早いということは全くないわけではないが、使い勝手に格段の差がある。また、携帯にはiモードがあるので、やはり使わない。つまり、利用者は携帯を持たず、PCを使えない人に限られる。該当者は年配の専業主婦くらいだ。そのような人にとってはLモードすら難しい。というより、Lモードを知ることも、その必要性すら感じなかったろう。
また、Lモードがiモードと同じサービスを提供していたら、少しは違ったかもしれない。しかし、全く異なる会社が運営したため、全く異なるサービスだった。Lモードにはほとんどコンテンツがない。iモード立ち上げ時の教訓が生かされていない。
また、Lモードをサポートした電話機が便利であれば、もう少しましだったかもしれない。例えば、ワイヤレスの子機にVGA画面がついていれば、家庭内PC端末になっていたかもしれない。しかし、親機にしか画面はついていなかった。使い勝手も悪かったと言うことだ。
このように数え上げると成功すべき要因がほとんど見あたらない。楽観的な予測と何とかしなければならないという義務感から始めたサービスと言うことだろう。きっともう少し早くやめたかったというのが担当者の本音だろう。

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