中国の景気がV字回復しているという。一説には、中国が行った大規模な景気対策が原因らしい。
景気対策は必要だが、予定外の支出であることは間違いない。カンフル剤として一時的に大量に手当てすることで回復できればよし、そうでなければ小出しにして結局回復しないまま支出だけが増えていくパターンに陥る。前者は今回の中国であり、後者は日本、そしてもしかすると今のアメリカもそうかもしれない。ただし、中国の回復は、もともと体力があったからという理由も考えられるので、同じ対策を日本やアメリカが行っても十分と言えたかどうかはわからない。
ここまでは序論に過ぎない。今回は、国が借金体質に陥っていく第一歩が予定外の支出、すなわち今回のような財政出動になるのではないかという疑念を示したい。
中国が今回支出した分を、将来的に税収で補うことができれば借金は帳消しになる。また、過去の資産を活用することで支出したのなら、それも問題ない。しかし、年度会計を考慮すると後者はあり得ないだろう。よって、将来的に帳尻を合わせることになる。
経済が好調なときは、その足を引っ張る政策を選択することが難しい。また、経済が不調なときには、なおのこと難しい。よって、増税などの政策は常に難しいことになる。福祉などの理由で増税する場合、借金返済に回すより新しい目的に使われてしまう。
このように不定期に起きる財政出動が積み重なり、ほとんど常にすべての国が借金大国への道を歩むことになる。この点で、中国がいつ先見の明を示して赤字を解消しようとするかが今後の鍵となるだろう。すでに中国は世界経済の柱の一つであり、自国の都合だけで簡単に経済政策を変更することは難しいだろう。景気を刺激する役割を果たすためには、借金を返す余裕は次第になくなっていくと思われる。
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