2010年3月30日火曜日

情報とメディア

情報系学部にメディア系学科があることがある。日本でのメディア系の先駆者といえば東京工科大学だろう。しかし、世界を見れば前例はいくらでもある。中でももっとも有名で模範とされているのはMITのメディアラボだ。
メディアには様々な意味合いがあるが、社会科学系メディアとの違いが重要だろう。社会科学系メディアが主として対象としているのはマスコミである。言い換えれば多人数を対象とした人と人の対話である。ここで、より本質的な点は多人数よりむしろ人と人にある。情報科学系メディアの起原は人とマシンの対話、マン・マシン・インターフェースあるいはヒューマン・コンピュータ・インターフェースにあるからである。この違いにより社会科学系ではほとんど扱われない情報系独自のメディアがある。それはメディアとしての芸術である。メディアラボの最近の活動も工学分野だけでなく芸術分野に広がっている。
また、人とマシンが直接対話しているように見えても、マシンの向こう側にもう一人の人がいるような場合、例えばSNSのような場合は情報系と社会科学系の両方の意味合いを持つ。今後は両方のメディアが統合されていくと考えられるので、縦割り的な区分は排除していった方がよい。つまり学生にとっては選択肢が増えるわけだ。しかし、しばらくは得手不得手があり、志望に合わせて選択する必要がある。

2010年3月24日水曜日

iPhoneで万歩計

iPhoneはライフログのデバイスとして有望だ。ライフログには健康管理の応用も期待される。そして、健康管理には歩数が重要なデータとなる。
歩数を計測するには万歩計が良い。しかし、iPhoneは万歩計として使えない。本来は加速度センサーもあるので、決して使えないわけではないが、長時間万歩計として機能させ続けることができない。それは並行処理、マルチタスクができないためだ。
この問題を克服するには、別途iPhoneに接続可能な万歩計を開発してDocに接続すればよい。このような万歩計がいつかは販売されるだろう。
ちなみにDSに接続できる万歩計はすでに販売されている。赤外線でDSにデータを送信するようだ。iPhoneでもWiFiで通信することはできるかもしれない。WiFi機能付きの万歩計なら可能だ。しかし、それはかなり高いものになるだろう。

Googleカレンダーで年表を

Google Earthには過去の地図を表示する昨日がある。しかし、過去を表示するならカレンダーの方が適している。カレンダーに歴史的なイベントの起きた日時まで記録し、公開すれば便利な資料になるだろう。
総合学習の課題に良いかもしれない。

2010年3月23日火曜日

BloggerのFTPサポート停止

いくつかブログのページを作成し、1つをFTPで運営していた。しかし、BloggerのFTPサポートがなくなることで、そのブログを削除することにした。今はもう使っていなかったので、削除してもよかったのだが、今後は問題になりそうだ。
というのは、FTPには明確な利点があるからだ。サポートが大変だからFTPをやめたようだが、それに代わる新機能の提案はない。この問題を未解決にしておくことは、ビジネス層の取り込みも抜け穴ができることになる。
その機能とは、コンテンツのアクセス権の制限だ。Blogger自体では公開しかできないが、特定のグループに対してブログを公開したいことがある。このような機能がBloggerにはない。そのため、FTPで別のサイトに送り、そこで.htaccessで制限を加えていた。このようなことができなくなるのは痛い。
しかし、これは初心者向けの機能ではないので、代替機能があれば問題ない。Google Docsでも不可能ではないが、やはり目的がずれているように思える。ブログはブログとして、完結していてほしい。

Objective Cは第二のCobolとなるか

iPhoneアプリが増えている。iPhoneアプリの開発にはObjective Cというあまり一般的でない言語が使用されている。iPhone 自体はかなり長い期間生き続けると思われるが、Objective Cが足を引っ張る可能性がある。実をいえば今でも足を引っ張っていると言えなくもない。なぜなら、明らかに開発のハードルが高いからだ。
しかし、今はその高さもiPhoneの魅力のおかげで、乗り越えるべき試練とみなされている。開発者のモチベーションが高いので容易に克服できる。しかし、市場が円熟し、またiPhoneより高度なビジネスアプリが期待されるiPadを含めて考えると、ビジネスマンアプリの開発には大きな生涯となるだろう。大きなソフトは分業で開発され、熱意も責任感もずっと低い(と思う)。 Objective Cが書ける人を集めるのに苦労するだろうし、そもそもコード量が段違いだ。標準ライブラリがもっと充実しないと難しい。そこで、開発を容易にするため、C++に変更すると、Objective Cは負の遺産として残る。いつまでObjective Cを続けるかが、Appleの社命を握っているかもしれない。

2010年3月3日水曜日

World Wide Deduplication

ストレージの世界では重複排除によるコスト削減が話題になっている。これだけHDD/SSDが安くなっても、コスト削減圧力は決してなくならない。
重複排除の仕組みを簡単に述べれば、データをその内容を示す識別子に変えて、保存するというものだ。例えば、4KBのデータを160bitのSHA1に変換できれば、160/4096=4%に圧縮できる。同じデータが多ければ多いほど圧縮率は高まる。
このときデータとハッシュはほぼ1:1の関係になる。しかし、情報量の観点から原理的にはありえない話だ。必ずいつかは1つのハッシュに複数のデータが対応することになる。しかし、今のところかなり1:1が維持出来ている。それを検証するには非常に長い時間をかけて計算をする必要がある。
そこで仮に1:1がうまくいくとすれば、それは1つの組織の中だけで成立するものではなく、複数の組織で成立するはずだ。そこで、ハッシュとデータの対応が分かれば、それを世界中に分散して重複なく管理してもよいだろう。実際には、データを失うことは避けなければならないので複製を持つ必要があるが、少なくてもよい。このような重複排除をWWDと呼んでみた。
そのうち世界中のデータセンターにハッシュとの対応表だけを提供するサービスが始まるかもしれない。ゲノム解読のように大規模に行い、密に集約すれば、データそのものを保存する必要がなくなる。究極のインデックスサービスかもしれない。