2010年3月30日火曜日

情報とメディア

情報系学部にメディア系学科があることがある。日本でのメディア系の先駆者といえば東京工科大学だろう。しかし、世界を見れば前例はいくらでもある。中でももっとも有名で模範とされているのはMITのメディアラボだ。
メディアには様々な意味合いがあるが、社会科学系メディアとの違いが重要だろう。社会科学系メディアが主として対象としているのはマスコミである。言い換えれば多人数を対象とした人と人の対話である。ここで、より本質的な点は多人数よりむしろ人と人にある。情報科学系メディアの起原は人とマシンの対話、マン・マシン・インターフェースあるいはヒューマン・コンピュータ・インターフェースにあるからである。この違いにより社会科学系ではほとんど扱われない情報系独自のメディアがある。それはメディアとしての芸術である。メディアラボの最近の活動も工学分野だけでなく芸術分野に広がっている。
また、人とマシンが直接対話しているように見えても、マシンの向こう側にもう一人の人がいるような場合、例えばSNSのような場合は情報系と社会科学系の両方の意味合いを持つ。今後は両方のメディアが統合されていくと考えられるので、縦割り的な区分は排除していった方がよい。つまり学生にとっては選択肢が増えるわけだ。しかし、しばらくは得手不得手があり、志望に合わせて選択する必要がある。

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