2009年12月21日月曜日

検索の先へ

Googleは検索連動広告で成功した。それまでのディスプレイ広告に対してうまくマッチングするためだ。そこでもっとマッチする方法があれば、もっと便利になる。
具体的には、消費者が自分で欲しいものを告げると、どのような商品があるか推薦してくれるというシステムだ。Webよりメールがよいだろう。
このシステムの問題はユーザが欲しいものを必ずしも的確に表現できるとは限らないことと、その場合自動化が困難なことだ。また、存在しない商品を求めている可能生もある。
そりそろクリスマスだから、サンタのようなシステムと言えるかもしれない。

おせちが高すぎる

おせち料理はお正月の定番料率だ。この時期しか食べないので、おせち料理の人気は高い。個人的には決してうまい食べ物だとは思わない。昔、正月に働かずに済ますため、日持ちのよいものを食べるようになったことが由来だろう。だとすれば味が二の次なのは納得だ。
ところが1万円を超えるようなおせち料理が売れている。1万円を切るとコストダウンだと評価されるくらいだ。しかし、個人的には1万円でも高すぎる。外食の標準3000円が基準だと思う。何食分かになると考えれば、5000円くらいは払う気になるかもしれないが、1万円は高すぎる。
まだまだコストダウンの余地はありそうだ。これから本格的な価格破壊の時代になるのだろう。

2009年12月19日土曜日

Azure vs EC2

Windows Azureを使ってみた。といってもチュートリアルのままだが。
インターフェースはすばらしい。Amazon EC2がコマンドライン中心(最近GUIもできたが、基本的にはまだベータ)なのに対して、完成度の高いWebベースGUIを備えている。
アプリケーションのdeployも、開発用のstagingと本番用のproductionの2通りある。このあたりはRailsの発想に近い。EC2では自分で使い分けなければならない。また、EC2には特にdeploy用のツールがあるわけではない。
気になったのはstagingで生成されるテスト用のWeb Site URLになかなかアクセスできなかったことだ。単に混んでいるせいだったようだが、本番に向けて環境面での性能改善が欠かせないようだ。productionではスムーズに表示できた。テストに時間がかかるのは少々困る。テストでは時に本番以上にアクセスすることがあるからだ。
EC2と比較すると、使いやすさの点ではAzureが勝っていると思う。問題はアプリケーションの開発がVisual Studioに限定される?ことだ。開発言語が制限されるのは、あまりうれしくない。ライブラリを含めて大規模な移植になってしまうからだ。
Azure開発に必要なWindows Azure Tools for Microsoft Visual Studioは、Visual Web Developer 2008 Express Edition with SP1で動作するが、IIS7(つまりOSはVista SP1 or Server 2008以上)を必要とする。手元にXPしかないので開発までは評価できなかった。

2009年12月17日木曜日

マレーシア

クアラルンプールに出張した。全体的な感想は、とてもよい。今も今後も楽しみな国の一つだ。しかし、問題がない訳ではない。長所と短所を織り交ぜて話そう。
まず、長所から始める。最大の利点は英語が通じることだ。言葉に不自由しないので、思い切って行動できる。観光には大切なことだ。日本は言葉がネックで観光を推進できないのと好対照だ。
英語が通じるのは英国植民地時代の名残だろう。同様に車が左車線で、右ハンドルなのも日本人には都合がよい。
空港からは電車もあるが、タクシーで市内まで1時間ほどで着く。ガイドブックより所要時間が長いのは渋滞のせいだ。これは短所で詳しく述べる。しかし、空港から市内まで十分近く、空港も大きい。日本にはうらやましい話だ。
車の所要率は繁栄のバロメーターだが、多すぎるほど普及している。活気があり、今後の発展も確実だろう。科学技術への取り組みも好感が持てる。
観光資源は豊富にあるが、決して多すぎない。これは満喫感を味わうにはほどよい。今回は観光する時間がほとんどなかったので、本当はたくさんあるのかもしれない。
ここまでは長所を書いたが、わずかな滞在でもいろいろな問題点が見えてきた。ここから短所について書く。
まず文化の違いを如実に反映しているのがトイレだ。イスラムの影響だと思うが、トイレに必ずシャワーがある。手を洗うためだ。それゆえ、時折トイレットペーパーがないこともある。なくても困らない人が多いのであまりチェックされていないようだ。もちろんホテルや大半の場所では問題ない。しかし、油断もできない。ティッシュは忘れてはいけない。できれば流せるティッシュがよい。
クアラルンプールの日常で市民も困っているのは日々の渋滞だ。車の普及、すなわち経済発展にインフラが追いつかない。中央部では混雑時に全く進まなくなる。これを避けるように遠回りするのでタクシーの料金は高くなる。タクシーでないと行きにくい場所も多いが、残念ながらタクシーはあまり信用できない。この話は後でするとして、公共交通機関の整備が急務だ。
今、モノレールがあるが、たった2両しかないので、十分とはいえない。モノレール自身が混雑するので、なおさら敬遠される。やはり地下鉄が必要だ。急場を凌ぐために時間制バスレーンを導入してもよいかもしれない。バス自体も増やす必要があるだろう。車が多過ぎる一方で、自転車はほとんど見かけない。確かに車と共に走れるとは考え難い。しかし、自転車で走れると市民には手軽な交通手段になる。これは住居とも関係するのかもしれない。
住居の多くは郊外にあり、そこから通うのだろう。しかし、郊外と市内を結ぶ交通網が不十分なため、車に頼らざるを得ないのかもしれない。郊外の家は日本の家屋より広くて立派そうだが、画一的だ。ほとんどが赤い屋根と白い壁だ。もっとも団地のようなものなのでやむを得ないのかもしれない。
住が話題になったので衣食についても語ろう。
食はインドネシアと共通している。やはり香辛料の多い食事だ。飲み物は妙に甘いものが多い。個人的にはコーヒーがまずいのに困った。スターバックスはあるが、それ以外との差が大き過ぎる。おそらく辣い食べ物と合う飲み物が多いのだろう。香辛料の後のエスプレッソはさすがにきついだろう。しかし、すべての食べ物が辛い訳ではない。
衣の代表は土産としても有名なbatikだ。独特の染物だ。ファッションショーも行われているようだ。
土産つながりでpewterも紹介しておこう。白目といい、錫の合金だ。熱伝導率が高いので冷たいビールをキリキリに冷やせる。やはりビールジョッキが定番だろう。
最後に残していたタクシーの話をしておこう。タクシーは英語が通じるので便利だが、あまり信用できない。同じ所へ行くのに大きく差が出る。下手をすると10倍違うこともあるのかもしれない。実際、RM7で行った人もいれば、平均30くらいで、もっと高い人もいたようだ。ぼったくりもあるだろうが、タクシーのグレードや渋滞が大きく関係しているように思える。
マレーシアには石油が出るそうで、昨今の原油高でかなりの利益が出ただろう。しかし、その利益を十分に還元していないように思える。郊外に立派なホテルを建てて裕福な観光客を呼び込もうとしているようだが、ドバイの真似をしても意味がない。その前にインフラを整備すべきだ。まだ足元がおぼつかないのに、高望みしても得るものはないだろう。

博士論文の電子出版

博士論文は国会図書館に保管される。知らなかった人も多いかもしれない。しかし、すべての論文が国会図書館に収蔵される訳ではないので、ある意味おかしな話だ。理由は、博士論文が実は論文ではなく著作だからだ。論文と書籍の二面性を持っているが、本質的には書籍なのだ。なぜなら、博士論文はそれまでの研究の集大成であるが、個別の内容は既発表のものであり、それ自体には新規性が何もない。そのようなものを論文とは言わない。
しかし、書籍ならそれを読むのに代金を払うべきだが、博士論文が売れたという話は聞いたことがない。
一方で、論文はその事実を広くて知らしめるために、なるべく多くの人に見てもらうように公開する。公開するといったが、それを入手するにはお金がかかる。これは不思議なことだ。なぜなら、読者が払ったお金は著者には行かないからだ。読者は著者に払ったつもりかもしれないが、そうではない。それは学会あるいは出版社へ行く。著者は逆にお金を払って掲載してもらうのだ。
経営にお悩みの雑誌編集者に朗報だ。世の中には、広告以外にもお金を払って出版したいと思う人がいるのだ。普通の雑誌に論文を混ぜれば、それだけで経営が成り立ってしまう。もっとも査読という厳しい品質管理ができない雑誌にはだれも投稿しないのだが。
ともかく学会または出版社は著者と読者から二重取りしている。これが自費出版なら著者に著作料が還元されるはずだし、雑誌ならその記事は少なくとも無料で掲載されるはずだ。論文とは、そのいずれでもない不可思議な出版なのだ。いずれ誰かがビジネスモデルを根底から変えてくれることを願う。
長い前置きだったが、これからが本番だ。
このように博士論文は変わった書籍だが、これを学位の条件とする大学がすべてだ。そこで学生は最小限の部数で製本しようとする。出版なら喜んでするだろうが、上で述べたように出版というより製本に近い。しかし、それでも安くはない。軽く初任給は超えるだろう。そこで、これを如何に安くするかが重要だ。これは印刷会社しか儲からず、しかも研究にとっては全くの部外者に過ぎない。編集者のように編集するわけでもない。そこで、電子出版、しかもオンデマンド出版にすればよい。これを認めれば印刷会社以外の関係者は皆喜ぶ。著者は安くできるし、場合によってはAmazonで売れるかもしれない。国会図書館は蔵書の保管が楽になる。審査員には印刷物を渡す必要があるが、最終版以外はプリントアウトすればよい。どうしてもという時にはオンデマンド印刷すればよい。

Android - 3G

iPod touch = iPhone - 3Gと考えてよいだろう。iPod touchは廉価版iPhoneとして重要な位置付けにある。
Androidにも同じようなコンセプトの商品があってもよい。WiFiができればSkypeで通話もできるので、基本料金が無料の携帯とも言える。3Gはe-mobileに任せればよい。

携帯でポメラ

テキスト入力しかできないポメラが人気だ。しかし、個人的にはポメラは大き過ぎるように思える。
携帯にもキーボードを備えたものがある。それで十分だ。むしろ、通話できないキーボード付き携帯が欲しい。microSDにも保存できるだろう。
要は入力する文書量の問題だ。多く入力する人はポメラのようなフルキーボードが必要だろう。あまり入力しないひとは携帯でよい。その中間の人も少なくないと思うが、そのような人の需要を満たせる。実のところスマートフォンの多くは、そのような用途なのではないかと思う。

クラウドストレージの値段

1TBのHDDが1万円で買える時代にクラウドの料金はかなり高い。1TBが1万円なら1GBは10円だ。これはAmazon S3の月額使用料と等しい。つまりAmazonは毎月HDDを買い換えることのできる料金を徴収している。現代のHDDの耐久性はMTBFで100万時間と言われている。もっともこの値はオーバーだ。しかし、徴収し過ぎていることは確かだし、その上通信料まで徴収するのだ。どちらかと言えば容量は最大値が変わる度に一度だけ徴収すればよいはずだし、むしろ通信料に加算した方が合理的だ。
確かにサーバのコストはHDDだけではない。しかし、AmazonはEC2も行っているので、それぞれに徴収すればよい。
逆に言えばライバルは通信量で課金するビジネスモデルでAmazonを超えることができるだろう。通信や電力及び原価償却はすべて容量より利用時間に比例させた方が合理的だ。その代わり容量加算は初期割当時に少し高目に課金すればよい。
利用時間に基づく料金にはホスティングサービスで月額500円程の固定料金でも運営している例がある。ましてや本業の傍で行っている副業のパブリッククラウドならもっと安くてもおかしくない。
おそらくクラウド技術が普及すれば価格破壊が起きるだろう。優に1桁は下がるはずだ。

未デコード信号の記録

TVを複数チャンネル同時に録画することは難しい。しかし、後で後悔するくらいなら最初から全部録画しておきたい。
全チャンネル録画できるのはCellレグザぐらいだろう。かなり難しいことは想像できる。これはハードに頼っているからだ。発想を変えてソフトでデコードしたらどうだろう。それなりのCPUは必要だろうが、そのようなCPUならCellを含めて存在するのだ。
この場合、デコード前の信号を記録してしまう。そして再生時にデコードからやり直す。
うまく行くかどうかわからないし、問題も山ほどあるだろう。しかし、不可能とは思えない。

2009年12月16日水曜日

円高で米ベンチャーを買えば

円高は問題だが、当面打開策がないとすれば積極的に活用するべきだ。消費者は海外製品を安く輸入できるし、海外旅行にも行ける。しかし、これが可能なのは生活苦に悩む層ではない。よって個人消費といっても効果は限定的だ。今ほとんどの人は退職したり就職できなかったり給料を減らされたりしている。日本企業が復活しない限り生活の改善はあり得ない。税金で豊かな生活はできない。
それでは高い円で何を買うべきか?
石油などの資源は円以上に高騰しているので、買ってもよいが将来的には損な投資だ。
私が推奨したいのは米ベンチャーだ。元々米ベンチャーは買い取られることを目的にしている。しかし、買い取った会社に運営能力がなければ意味がない。残念ながら日本企業には運営能力に欠ける会社が多い。日本人経営者はまだ世界に通用しないようだ。一部の成功例も日本という限られた市場を背景にしている。
また銀行もベンチャーを正しく評価できないだろう。もっとも米ベンチャーの中には人気先行でビジネスモデルが確立していないものも多い。しかし、逆の言い方をすれば確立したビジネスモデルを持つ会社は他に買われたいと思わないので、買えないだろう。つまり、日本が円高を生かすにはビジネスモデルを構築できる経営者が必要だということだ。
これを一人で行う必要はない。ビジネスモデルの確立とその運営は別々でもよい。

CCS付き火力発電

電気自動車に乗っても火力発電のCO2が減らなければ、あまり大きなCO2削減とはならない。しかも、原子力発電所を増やすのは容易ではない。ダムのように50年後にできても意味がない。プルサーマルが唯一の鍵だが、別の方法もある。つまりCO2を排出しない火力発電だ。具体的には火力発電で排出されるCO2をCCSですぐその場で回収してしまう。この方法なら火力発電所にCCSを追加するだけなので、それほど難しくはない。
もちろんCCSの効率改善は継続的に実施されなければならない。しかし、当面は25%を目標にCO2を回収できればよい。
ただし、この方法はあくまでも次世代エネルギーが十分供給できるまでのリリーフに過ぎない。なぜなら本質的な化石燃料の枯渇は変わらないからだ。火力発電に投資するのは長期的には無駄だが、やらない訳にはいかない。それに、バイオ燃料の時代になればあながち無駄とも言えない。

ビデオカメラにもっとスタミナを

デジカメもそうだが、特にビデオカメラの用途は、海外旅行か子供の行事と決まっている。これらは長時間に及ぶ催しであり、しかも一生に一度のことかもしれない。それがバッテリの不足で撮影できないというのは利用者からすれば許し難いことだ。
最近は長時間駆動のPCが増えてきた。しかし、PCを丸一日使う人は非常に限られる。一方で、使う機会はめったにないが、ビデオを長時間撮る人は少なくない。家族の誰かはビデオ係だろう。
そうならば少なくとも12時間は撮影できるビデオカメラを作って欲しい。
長時間撮影には容量が必要だが、DVDやHDDは消費電力の点で不利だ。SSDを使うべきだろう。SDXCが使えるならもっとよい。

iPhoneでルーペ

機内雑誌にルーペが載っていたので思いついた。
iPhoneでルーペアプリを作れないものだろうか?
何でもiPhoneでできるようにするのが流行りだ。
確かめた訳ではないのでわからないが、既に存在している可能性は高い。
3GSなら接写もできるが、そうでない3Gで実現するのは難しそうだ。

日本のストレージ戦略

ストレージにも元気のよい分野とそうでない分野がある。
HDDは順調に記憶容量を増やし、いまだストレージの主役であるが、低価格化の前に苦しい戦いを強いられている。日立はIBMからストレージ分野を引き継いだが、IBMがストレージを手放したのはそれなりの理由があると考えるべきだ。コモディティ化によってコスト競争にさらされると利益がでなくなる。そのような事業は日本やアメリカのような人件費の高い先進国に向いていない。それでも設計を残し生産を委託することは不可能ではない。
今後も高付加価値をもたらすストレージはサーバ用しかない。容量、スピードそして低消費電力が共に優れたものでなければならない。
一方で、元気なのはSSDだ。こちらは半導体産業が総出で進出しようとしているので、余計に競争が激しい。
これらのことから得られる結論はHDDとSSDのハイブリッドしかない。HDDは記憶容量を担当し、SSDはスピードと省エネを担当する。キャッシュが有効に作用すれば、両立できる。
しかし、2つの点で問題がある。1つはシステム的なソリューションに対向できないことと、キャッシュが有効であるか不明な点だ。
システム的なソリューションとは、それぞれHDDとSSDを個別に購入し、システム側が両者を効率よく使い分ける方法だ。その場合、ハイブリッド製品はいずれにも勝てない。つまり、無料のソフト1つで息の根を止められてしまう可能性がある。あくまでも製造コストは下げることが前提となる。しかし、特殊なコントローラを製造する上でコストも下げるのは難しい。次にキャッシュは必ずしも万能ではない。ストリーミングなどキャッシュ容量を超えるサイズとなる場合がある。大容量ストレージの用途の1つは間違いなくストリーミングなので、これは本質的な問題だ。

駐車場システム

現在の駐車場システムでは、不正に駐車料金を踏み倒すことが可能となっている。これは物理的なガードで不正に対処しようとしているからだ。物理的な手段では不正を防ぐように改良すると、機器の製造コストに反映してしまう。そこで、情報的なガードを提案したい。
利用者は、駐車時にナンバープレートのナンバーを登録する。登録しない利用者は直ちに警察に通報される。登録ナンバープレートは自動認識されたナンバーと比較され、一致しなければ駐車が認められない。この方法では不正に踏み倒そうとしても身元が割れているのでできない。投資はナンバープレートの読み取り機と入力機だ。入力機は駐車場に1つでよい。今のシステムよりずっと安くできるだろう。

クラウドの次の戦略は

IT企業は、クライアントの業務を効率化することで報酬を得ていると言われる。これには疑問な点もあるのだが、一応これが業界共通の認識だ。
昔は業務改善だった。しかし、これは極めて難しい。IT企業側が専門家であるクライアントの業務に口出しするのは釈迦に説法というものだ。しかも、それで開発された専用システムは大幅なコストアップになる。本業が堅調ならよいが、そうでない現在にこのようなセールスが通用するはずがない。
今の流行りはクラウドだ。過去の過剰投資で増えすぎたサーバを適正な数に減らすのだ。しかし、下手をすれば昔より少ない収益しかない。台数が減るのだから当然だ。よって、それでも利益がでるように効率的な運営が必要となる。
次の戦略は、クラウドをより効率化することだ。データセンターの人件費を削減すること、クライアントのシステム管理の人件費を削減することだ。このための技術が重要となる。単に監視するだけではだめで、すぐにトラブルを解消できなければならない。そのためにもデータセンターがよい。
このような戦略はサーバに次いで人を減らす。人が減れば業界自体が縮小する。冒頭の理念を追及する限り、自身のシッポを食べ続ける必要がある。それは、これらがマイナスの戦略だからだ。価値を増やすのではなく、コストを削減するだけだからだ。価値を増やすなら、クラウドでロングテールを考えるべきだろう。そして、ロングテール戦略の先にはフリー戦略がある。

インターネットによる調査

ここでいう調査とは主としてサーベイのことだ。
論文やレポートを書く時には、文献を用いて調査する。逆の言い方をすれば調査には文献を参照あるいは引用する必要がある。参照は事実あるいは主張の証拠となる文献を示すことで、引用とはその一部を再掲載することだ。わかりやすさを基準に適切に選択すればよい。
誰でも最初は初心者だが、初心者がレポートを書く時、参考文献でよくある間違いはWikipediaを参照することだ。Wikipediaを正しく理解していないと、そのようなミスをおかす。
Wikipediaは集合知の産物だ。その作者は必ずしもその分野の権威者とは限らない。権威者ならミスをおかさない訳ではないが、間違いがあるかもしれないということを念頭においておく必要がある。正しい推論をするには正しい根拠が必要だ。
よってWikipediaは調査の始めであり、きっかけであって終わりではない。このことはいくつもの文献で指摘され、ある種の常識と化している。それ故にWikipediaしか調べず終わりにするような調査は不完全だ。
しかし、従来の権威ある文献も、それではどうすべきかということについては何も語っていない。それは片手落ちだと思う。一般論しか示せないにしても一定の方針を示すべきだ。
Wikipediaを参考文献に含めるべきかどうかは、個人的にはどちらでもよいと思っている。最初のうちは含めていてもよいだろう。しかし、それが無意味だとわかれば自ずと含めなくなる。
Wikipediaは出発点なので、特に書かなくても、それを用いていることは前提といえる。よって、あからさまに書く必要がない。むしろ、次に何を調べたのかが本当の調査だ。
この記事は、Wikipediaの次に何を調べるべきかを議論したい。
度々ある間違いとして、インターネットは間違いで本ならよいだろうということで、辞書を調べる人がいる。辞典ならともかく辞書は見当違いも甚だしい。どちらも意味を調べる本だが、その意味が全く違う。辞書は言葉の意味を調べるものだが、正確には言葉を言い換えるものだ。辞典は言葉の内容を説明するものだ。
それでは改めて何を調べればよいのか、考えてみよう。
Wikipediaをきっかけとするなら、それに紹介されている文献を調べることが考えられる。ただし、これらの文献はWikipediaの意見を肯定することしか書かれていないだろう。なぜなら、それを用いてWikipediaが編集されたと考えられるからだ。
次に、Wikipedia以外のWebページを調べるとしよう。この場合、Wikipediaほどチェックされていないので、よほどの権威者が書いたものでなければ意味がないかもしれない。だとすればWikipediaで権威者を調べる方がよいのかもしれない。しかし、Wikipediaの多くの項目では権威者であっても個人名を掲載することはおそらくないだろう。
仮に権威者がわかればAmazonで著作を調べることができる。本は図書館で借りることができる。近くになくても図書館同士で貸し借りができるので、取り寄せることができる。ただし、著作物を全部読んでからレポートを書こうとすると時間がいくらあっても足りない。
別のアプローチとして命題ごとの文献を引用して証明する方法が考えられる。権威者による証明より正確だ。なぜなら、権威者による裏付けは、その人を信じることに等しく、厳密には正さを保証する訳ではない。よって命題自体を検索する方がより科学的な方法と言える。具体的な方法も簡単だ。直接命題の文章を入力すればよい。後は検索エンジンが言葉の関連を含めて勝手に調べてくれる。ただし、この方法が成立するには2つの条件を満たす必要がある。1つは検索エンジンが十分賢いことだ。これは今でもある程度成立している。2番目の条件が問題だ。それはあなたが何を証明したいか理解しているかどうかだ。これは十分に論理的思考の訓練ができていないと難しい。また調査段階では議論の進む方向もわかりにくい。思考力があっても容易ではない。
このようにWikipediaは不完全だが、それ以外の手段がほとんどないことも確かだ。現実的な方法として国別、言語別のバージョンをチェックする方法も考えられる。これはチェックする目が増える利点はあるが、情報源が限られているので信頼性はそれ程改善されない。
結局、学校の課題程度の内容では一般論で十分であり、その範囲ではWikipediaで十分だ。それが論文のようなレベルになると権威者がはっきりするので、Wikipediaがでる幕はほとんどなくなる。Wikipediaの編集がいかに早くても、門外漢が特殊な専門分野を理解するのに要する時間の方が長くなる。このような性質の違いを意識せずに一方的にWikipediaを否定しても仕方ない。

2009年12月10日木曜日

全翼機時代の空港

次世代の大量航空輸送を実現する機体として全翼機が注目されているそうだ。
縦に伸ばすには限界があるので、横に広げようということだ。そうなると空港の滑走路も横幅を十分に考慮しておく必要がある。
もっとも極端に広がる訳ではないだろう。従来翼しかなかったところにも人が乗るようになるだけだ。しかし、全く同じ幅で済むとは限らない。
次に滑走路を拡張する時は、幅も確保しておく必要があるだろう。

グリッドポイント

エコポイントはかなり効果があったようだ。2匹目のドジョウを狙うものが出てきてもおかしくない。そこで、最近話題のスパコン凍結の代案としてグリッドポイントを提案する。
グリッドの敗因はボランティアに頼ったことだ。そこで、ボランティアに頼らないグリッドを提案する。具体的には使用料を支払うモデルだ。しかし、これには2つの問題がある。
1つは支払い方法だ。直接小額を支払う仕組みは既存金融には存在しない。そこで現金ではなくポイントで支払う。ポイントを扱う業者を広く募り、主要なポイントに換金できるようにする。マイレージでもよい。
2つ目の問題点は、そのレートだ。資金的な猶予があれば、PCの電気代をその時間分だけすべて負担してもよいとさえ思うが、かなりの金額になってしまうだろう。合理的な方法は使った分だけ支払うことだが、そのままでは利用者のメリットがないため失敗するだろう。両者の中間がよいと思う。
このとき太陽光発電などのエネルギーを差別しない方がよい。太陽光エネルギーでも電力会社から供給されるエネルギーでも同額を支払う。これにより売電を電力会社が行う度合いが減少したり、太陽光パネルの投資を確実に回収できるため導入が進んだりなどの効果も期待できる。もちろん科学技術の進歩も期待できる。

2009年12月9日水曜日

巨大すぎてつぶせない

金融会社が破綻する際、巨大すぎてつぶせないということがよく言われる。しかし、実際にはつぶしてみたらそれほどでもなかったということが多い。
しかし、IT企業の中にはそれこそつぶせない企業がたくさんあるように思える。
例えば、MicrosoftやGoogleが潰れたら、どうなるのかと心配だ。
Microsoftが潰れたらOSはLinuxしか残らないが、LinuxがそもそもWindowsより優れているならもっとシェアを伸ばしているだろう。そうでないから問題なのだ。
また、Googleが潰れてGoogleに預けてあるデータを引き出せなくなると困る。どちらかと言えばOSがなくなるより困る。
クラウド時代では、このように困る人がもっと増えるだろう。その場合、たとえ潰れてもデータを引き出すまでは営業を続けてもらう必要がある。つまり、本当に簡単にはつぶせないということだ。
ある意味では、多くの人に無料のサービスを提供すると言うことが企業防衛につながるのかもしれない。

Googleドメイン

google.comやgoogle.co.jpのことではない。
前の記事の続きのようだが、GoogleがDNSサーバを兼ねるなら、いっそDNSの管理もしてくれたらよいと思う。
GoogleにTLDを与えてみたらどうだろう。
一私企業にTLDは行き過ぎと感じる人も少なくないだろうが、検索市場の大半をカバーしているGoogleなら許してもよいように思う。
情報がDNSで適切に整理されていれば、とても便利になるように思えるからだ。例えば、「キーワード.goog」で検索できるようにする。googの代わりに4664でもできると携帯では便利かもしれない。
また、GoogleならきっとDNSの登録も無料でしてくれるだろう。サブドメインでも好きな名前が無料で使えるならうれしい。きっとDynamic DNSにも対応してくれるはずだ。

2009年12月7日月曜日

Google Public DNS

以前、OpenDNSについて記事を書いたが、それと同様の問題があると思われる。
日本版Public DNSが始まったらとても便利になるかもしれない。

広島

広島は初めて訪れたが観光資源が豊富なところだ。
まず、新幹線が街の中心に止まってくれる。正確には中心ではないが、交通の便がよいので、中心ちいっても差し支えない。市内の交通は路面電車が中心だ。市内は150円均一だ。途中乗り降りするなら、一日券がよい。600円で乗り放題だ。宮島まで行くならフェリーを含めて840円だ。一日券の中では珍しく元が取れる。
広島駅から原爆ドームで途中下車し、宮島までいっても90分ぐらいだ。ちなみにこの路線は世界遺産の原爆ドームと厳島神社を結ぶラインで観光にはとても便利だ。路面電車もフェリーもとても連絡がよい。ほとんど待たされない。
宮島には厳島神社がある。さすがに観光客が多い。桟橋から600mなので大した距離ではない。ロープウェイまでは無料バスが出ている。すべてがうまく観光化されている。
名物は、焼きがき、穴子めし、もみじまんじゅうなどだ。揚げたもみじまんじゅうもある。
食べ物では、お好み焼きを外す訳にはいかない。八昌という店にいったが、座るまで20分、座ってから20分ほど待った。いわゆる行列のできる店なのだが、正直それほど美味いとは思わなかった。もちろんまずくはない。お好み焼きを美化していた分、落差を感じたのだろう。
また、もみじまんじゅうにも生タイプという新顔が登場したようだ。しかし、あまり関心しなかった。なぜなら、もちを食べているようで、カステラらしさがまるでないからだ。もみじ型大福といった方が正確だ。

MemcachedのRAID化

Webアプリを高速化する手法としてmemcachedは一般的になってきた。
システムの信頼性を高めるには複製を用いることが一般的だ。しかし、複製では最も単純な二重化でも倍の投資が必要になる。保険としては少々高い。あなたは年収の半分を保険料として支払う気になるだろうか。
二重化未満で信頼性を確保するには時間的なペナルティーを支払う必要がある。しかし、チェックポイントを設けたり、ロールバックする特殊なしくみを必要とする。すべての処理がトランザクションであればよいが、そのようなシステムの性能はあまり高くない。つまり、緊急時以外の平常時にも一定のペナルティーを払い続ける必要がある。しかも、単純なトランザクションの実装は多重化になる。
そこで、二重化よりコストが安くなるRAID技術を一般化できないか考える。RAIDでも故障時のペナルティーはあるが、それほど大きくない。
ストレージにRAIDを適用するのは難しくない。しかし、ストレージ以外の資源にRAIDを適用するのは難しい。そこで、メモリをストレージのように扱うことでRAIDを適用する。そこで重要になる技術が冒頭のmemcachedだ。
メインメモリに変数として保存しただけでは回復できないが、重要な変数をmemcachedに入れておけば回復できる。回復できないデータは最初からやり直すしかない。
ただし、実装する上では評価が欠かせない。なぜ、オリジナルのmemcachedでは横のつながりをあえてはぶいているのかを評価で確認する必要がある。

ログとautonomous computing

企業は直接生産に結び付かない費用を削減する必要がある。そのためには維持管理費を削減できると効果が大きい。コンピュータが自分で自己診断などして維持管理費を削減することをautonomous computingという。
このためにはログ管理が重要になる。ログはコンピュータの動作履歴であり、これを元に診断する。健康診断で病気が見つかるかどうかは検査の種類による。より多くの検査を行うことで、より多くの病気を発見できる。ログは健康診断の検査に該当する。例えるなら、保険料を削減するために、多少高くても人間ドックに入るようなものだ。実際の保険料は人間ドックに比べて高くないので、そのままでは当てはまらないかも知れない。しかし、保険料がもらえても死んでは元も子もないので、やはり人間ドックを受ける人は少なくない。同様にミッションクリティカルな分野では重要だ。
極端な話し、ログを完全にとると二重化よりコストが高くなる。また、一方ではクラウドのようにあまり信用できないプラットホームを活用する技術も進歩してきた。クラウドでは、これも極端な話し、怪しければ壊してしまえばよい。それでも代わりをいつでも見つけることができる。しかし、このような方式では複製で信頼を高めるのが一般的で、それゆえ二重化以上のコストがかかる。あくまで余剰資源を活用できるからこそのコストダウンだ。autonomous computingは両者の中間に位置するソリューションといえる。よって、むやみにログを取ることなく、必要最小限のログで問題点を発見する必要がある。

2009年12月3日木曜日

モバイルスキャナにホチキスリムーバーを

書類はホチキスで止められることが多い。モバイルスキャナで、その場でスキャンするには、まずホチキス針を取る必要がある。別途ホチキスリムーバーを持ち歩くのもよいが、どうせならモバイルスキャナにPDAのタッチペンのように組み込んでほしい。ちょっとした付加価値で消費者の心をとらえることが肝心だ。

Chrome OSにおけるグリッド

ネットブックとグリッドの相性は必ずしも良くない。しかし、今後普及するであろうネットブックを活用できなければグリッドの将来もない。
ネットブックではChrome OSのようなブラウザを起動するだけのOSが普及すると予想される。このようなOSでは一般的なアプリケーションをインストールすることは難しい。また、本来の用途ではインストールする必要がないことになっている。サーバで実行するからだ。しかし、グリッドをサーバで実行するだけならネットブックを利用する必要がない。グリッドはあくまでもクライアントの余剰資源を活用するためにある。
Chrome OS上でグリッドを行うにはブラウザを介して行うしかない。すなわちJavaScriptによるAjax Gridだ。このようなグリッドは今後広がるだろう。

Chrome OSに仮想マシンを

Chrome OSの開発が順調のようだ。Chrome OSはネットブックに適しているので、多くのネットブックで採用されるだろう。おそらくWindowsと共存する形で普及するだろう。Chrome OSで素早く起動し、その後必要に応じてWindowsに切り替えるという使い方が予想できる。
しかし、Chrome OSからWindowsへの切り替えがrebootでは芸がない。また、1分近く待つのは苦痛だ。そこで、仮想マシンの機能が必要になると予想される。
Chrome OSに仮想マシンの機能があるかどうかは知らない。多分ないと思う。しかし、今後は必ず必要になると思う。