2010年9月16日木曜日

これからの「道徳」の話

TV放送「白熱教室」で有名なマイケル・サンデル教授の著書「これからの『正義』の話をしよう」が出版され、教授の考えや主張がよりわかりやすく伝わるようになった。これとTVでの実現を見れば、おもしろい授業の在り方が見えてくる。
今まで、おもしろい授業というとおもしろいTVと同様に笑わせることだと考えている人も誤解に気がつくだろう。たぶん、多数派ではないと思うが、中には真剣に漫才師こそ最高の教育者だと信じている子供もいる。本当の面白さは自分で考えることの先にあるのだと気付いてほしい。
教授の授業法をすべての授業に応用することは容易ではない。さらに工夫すれば応用範囲は広がるかもしれないので研究する価値はある。しかし、どこまでも一般化すればよいというものではないし、それ以外の方法も検討に値するので、安易に適用すべきでもない。
しかし、いわゆる道徳の授業には素直に適用できるだろう。おそらく今まで道徳の授業は決して面白いものとはいえなかっただろう。しかし、おもしろい道徳の授業があるのだということが具体的に示された。しかも、多くの人が知った。今度は、教育現場がこの流れにどれだけ追随できるかだ。有効な方法ならオリジナルでなくてもよいので、どんどん真似すべきだ。しかし、やり方だけ真似してもだめだ。自分自身がその道徳問題について一度は真剣に考えたことがなければ多様な考えの本質的な差を適切に指摘することはできない。そのためには道徳専門の先生が必要かもしれない。あるいは存在してよい。近い将来、多数の和製サンデル先生が現れることを期待したい。

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