2011年8月6日土曜日

スマートグリッドのキラーアプリ

スマートグリッドによってエネルギーと情報が統合され、インターネットを超えるネットワークが生まれると考える人がいる。しかし、それにはキラーアプリの存在が必須となる。
少なくともキラーアプリは今ない。将来出てこないとは言えないが、その芽を見つからないのは不思議だ。これは間接的にキラーアプリが存在しないことを示している。
インターネットは通信すなわち情報を扱う。それに対してスマートグリッドは基本的に電力しか扱わない。電力だけで娯楽が考えられるだろうか?娯楽でなくてもよいが、キラーアプリには娯楽的な要素も必要だろう。皆が積極的に参加したいと思わなければキラーアプリにはならない。
スマートグリッドの使い方としては、家庭で生産した電力を自由に売買することがある。これは金融商品に似ている。金融商品にはさまざまな種類があるが、利率だけで人を魅了することはできない。実際、世の中に金融商品は数多いが、それほど多くの人が購入している訳ではない。ごく一部の人に限られる。これではインターネットと比べようもない。
また、娯楽性の強い金融サービス?といえば、宝くじやパチンコ、カジノなどが考えられる。このようなある種の不公平な再分配が娯楽的な要素となる。
しかし、このようなサービスのいずれもキラーアプリとはなりえないだろう。よって、スマートグリッドにはキラーアプリが存在しない。スマートグリッドの普及は決して熱狂的には進まないだろう。逆に、クールに、政策として進めるしかない。

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