2012年2月23日木曜日

クラウドネットワークシンポジウム2012

今日、クラウドネットワークシンポジウム2012に参加してきた。VMwareのイベントが面白かったので、それと同じものを期待したのだが、昔ながら?の研究報告会だった。
もともと「最先端のグリーンクラウド基盤構築に向けた研究開発」というプロジェクトの成果報告会を兼ねているので、不思議ではない。逆にいえば、その割に良かったと言った方が正当な評価かもしれない。
冒頭のWinston Bumpus(DMTF)氏の講演が一番聴きごたえがあった。日本人の発表は詰め込み授業のようで理解しにくい。自分のこととして反省する必要がある。
あまり関係ないが、東証のシステムについて知る機会ができた。オンメモリDBを使っているとは知らなかった。現在の応答時間が2msで、将来は1msにしたいそうだ。ここが少し引っかかった。応答時間自体を短くすることにはあまり意味がない。むしろスループットの方が重要だろう。スループットなら1秒間に500トランザクションという言い方をするだろう。なぜ、応答時間に固執するのかよくわからない。
ポストクラウドのパネルは結論がよくわからないまま終わった。重要なICTは何かという議論だったが、結局重要なのは技術ではないという方向へ流れて行った。パネルで結論が出るということはほとんどない。だから、期待はしていなかったが、話自体は面白く聞けた。エンターテイメントとしては十分だった。しかし、こんなパネルばかりでよいのだろうか?
自分のクラウドに対する意見は、すでにこのブログで紹介している。
そうそうたるメンバーが集まった国家的プロジェクトなのに、その成果が日本経済に影響を与えることはないだろう。確かに省エネ技術は重要だ。しかし、独占してクラウド自体の競争力を付けても利益率が低すぎる。また、開発した技術を競合他社に提供すれば差別にすらならない。
クラウドを連携するインタークラウドの考えも、先行するGoogleやAmazonに対する負け組の試みに思える。そもそも規模の経済が支配するクラウドで、中小クラウドが集まってもコストメリットは高くならない。また、性能も1つのデータセンター内で閉じたクラウドの方がずっと良い。技術的にはインタークラウドは重要だ。しかし、それはBCPなど特別な場合であり、ビジネスの競争力に結びつくとは限らない。

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