2012年3月27日火曜日

複合現実の家

仮想現実(VR)、拡張現実(AR)そして複合現実(MR)などがある。
ARとMRの差は微妙なところがある。現実と仮想の割合によって分類するのがよいのかもしれない。
ここで議論したいのは、細かな定義の違いではない。
このような技術が光学迷彩に使われている。
これを家などの建築物に応用し、何にでも変化する家を作ってはどうかという提案だ。
建築家は様々な意匠を凝らす。しかし、それが仮想化されれば、1つの家があらゆる意匠を表現することになる。毎日、異なる外見の家に住むこともできる。夏に冬の家に住める。その逆もある。地上でも海底や宇宙に棲める。毎日が刺激的な生活になる。
このような家は、高精度のタイルディスプレイによって外壁を覆うことで実現される。ディスプレイは室外に適さないので、実際には強化ガラスの外壁に接するようにディスプレイを配置することになるだろう。あくまで現実感を追求するなら不自然でない形状が要求される。立方体ないし正方形を底面とする四角柱が理想だ。全方位を考えるなら円柱という選択肢もあるが、生活に不便かもしれない。
屋根だけは、上から見られることがないので太陽パネルを設置したい。しかし、角度を付けると太陽パネルが露出するので、この際意匠を優先して、フラットにする。
もちろん、どこかに出入り口と窓がなければならない。出入り口は鍵をかざすと現れる魔法の扉にするのも面白い。窓は室内の壁面もディスプレイとすれば、それこそ壁自体を透明にすることもできるので、防災上の理由がなければ不要だ。外壁に近い窓になるので、車の扉のように開け閉めは重くなるだろう。そのような窓の設計も建築の範疇となる。
話の続きで、外壁だけでなく内部も徹底的に仮想化してみよう。どこまで仮想化できるかの思考実験だ。窓は既に述べた。TVもどこにでもある。寝室の天井も大画面ディスプレイに使えるので寝ながらビデオを見ることができる。照明の代わりに使うこともできる。壁面家具の中身を透視することもできるかもしれない。中身を管理する情報家電型冷蔵庫と同じだ。今日の所持品の位置をナビゲートしてくれれば忘れ物が減る。タンスの奥にしまい込んだまま忘れるということもなくなる。検索すれば、どこにしまったかすぐに答えてくれる。

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