2015年3月8日日曜日

ヒトを知るプロジェクトからヒトを創るプロジェクトへ

少し前はヒトゲノムが話題になった。実に実りあるプロジェクトだったと思う。
今度はヒューマンブレインが話題となっている。同様に多くの成果が期待できる。

しかし、ゲノムに比べると成果は限定的となる。
機械による知性は楽観的にできるだろうと予測する。
しかし、より欲しいのは知識のコピーである。
ヒトが考えるしくみがわかったとしても、生きている人の脳に干渉できなければ、コピーはできない。
よって、ナノマシンの研究が不可欠である。むしろ、ナノマシンの成果に依存している。

ヒトの脳にチャレンジすることは意義深い。
しかし、人工知能を作るだけなら、必ずしもヒトである必要はない。知性が最低でもあるとされる生物であれば、何でもよい。
しかし、ねずみの脳が大きくなればヒトの脳になるかどうかは断言できない。

人は脳だけで生きている訳ではない。
生命の定義は有機であるがゆえに、人工知能は機械である。
人工知能の進化には、五感が重要である。
少なくとも視覚、聴覚は脳と直結して学習する必要があるだろう。
これらのインターフェースもヒューマンブレインの成功には不可欠であろう。
あるいは、これらがあれば、もっと豊かな成果が期待できる。

よって、ブレインの次は人体の創生が課題となるだろう。
再生医療の発達も時期を同じくしている。
個別に作成した臓器を組み合わせる方法がもっとも初期に選択されるだろう。
この場合、新たな生命を生み出すのではなく、医療の一環として考えられる。

次は、人工細胞が課題となるだろう。
細胞から分化し、発達する過程を調べる。
さらに発達の過程を制御し、不具合を除去する必要がある。
また、事前に遺伝疾患を除去しておく必要がある。
これにより発達障害の多くが克服されるだろう。


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