2009年9月30日水曜日

八ッ場ダム

なぜ「やんば」と読むのかわからない。変わった名前だ。しかし、今や多くの人に知られるようになり、政治的なシンボルになりつつある。
部外者の視点では無駄ならやめた方がよいと思う。しかし、関係者の視点では不都合があるのだろう。
まず、完成させた方が安いという意見がある。これに対しては2つの反論があった。1つは計画変更によるコスト増を考慮していないこと、2つ目は維持費のコストを無視していることだ。いずれも水道代で回収するのだろうが、その場合の水道代がいくらになるかはわかっていない。それを明らかにして判断する必要がある。その場合、利害関係者は水没地域の住民と水道利用者であり、日本全体ではない。おそらく地元住民に同情する人の中で自分がその経費を支払うことになると知っている人は多くないと思う。そのような人が実際に払う水道代を知ったときにも果して同情できるだろうか。
次に地元住民に対する補償は妥当か明らかでない。既に補償されていれば新たな補償は二重補償になる。もちろん計画延期に伴う物価変動は考慮してしかるべきだ。既に移転先を入手しているとも聞くと補償金は支払われているようにも思えるが、そうなら追加の補償に何の意味があるのかわからない。個々の補償金はプライバシーに属するが、全体の額は重要な政治指標であり、公開されるべきだろう。それによって平均がわかっても個別の金額がわかるわけではない。
これらの情報が公開され、それでも継続の方がよいと判断されれば、そのときは誰もが喜んで継続に賛成するだろう。

0 件のコメント: