2011年6月1日水曜日

プログラムによる数学の理解

最近、ゲーム関係のプログラミングから数学・物理学を理解しようという本が多数出版されている。これはゲームプログラミングにおける必要性から発したものだが、教育方法としても一考に値する。
数式で数学を理解するということが長く行われてきた。初等数学では数式も簡単であり、ツールとして申し分ない。しかし、高等数学に移るにつれ抽象化し、理解が困難となる。ここで挫折すると仕事で必要な理論も身に着くことなく職業に就くことができない。
一方、プログラムは数式より敷居が若干高いが、要は慣れの問題である。事実、数式よりプログラムに慣れるようになると意味が正確に伝わるようになる。数式よりも言語としての素性は確かだ。一方で、プログラムは計算可能な問題しか扱えないと考えられている。これには若干誤解があると思われるが、計算可能な問題を表現はできるが、実行できないだけだ。この点では数式と何ら変わらない。
決定的な差は視覚化であろう。数式は途中経過も数式であり、いずれも抽象的で分かりにくい。しかし、プログラムは途中経過をデータとして視覚化することができる。つまり理解しやすい。この差が後々大きな差になるのではないかと考えている。
以上のことからプログラムから数学を再構築することは有意義だろう。また、プログラムから数学を教育することも有意義だと思う。現代のような情報社会の時代に情報の視点に立った教育方法を考えることは必要だろう。

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