2011年6月6日月曜日

国家

プラトンの「国家」はロングセラーといえるだろう。この内容で、しかも引き込ませる文章力は素晴らしい。内容の難しさはあるが、楽しく読める本だ。もっとも普通に読むのは翻訳なので、翻訳者の文章力を賞賛すべきなのかもしれないが、原文が悪いはずはないだろう。しかし、これもやはり昔は読み切れなかっただろうと思う。私は本を読まない方ではないと思っているが、やはり読解力にはある程度人生経験を必要とするのかもしれない。
書中の弁術は見事で、これをもし目の前でなされたら誰も反論できないだろう。もっともこの中のソクラテスはプラトンの創作だろうから、決して目の前でなされることはないだろうが。しかし、弁術に思わず納得してしまうものの、結論は首をかしげたくなる。当時もそうだったかもしれないが、現代に通じるのか通じないのか微妙な内容だ。この本の内容でプラトン(ソクラテスというべきか)に反論する創作をしても面白いのではないかと思う。

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