2011年6月27日月曜日

ゴルギアスの末裔

ゴルギアスは、プラトン著「ゴルギアス」に弁論術の大家として登場する。その中で、ソクラテスは弁論術を否定する。ソクラテスにとっては真に正しいものが重要であり、不正を正と主張する弁論術は無用だったのだ。ソクラテスの、あるいはプラトンの思想はその後の西洋を支配し、今日の教育の礎となった。
しかし、弁論術は今日でも生き残っている。政治家、弁護士、交渉人、司会者などには弁論術は欠かせない技能だろう。これらの人々が不正を行っているという意味ではなく、誰かを説得して意見をまとめる立場にあるということだ。そして、近年では、一般サラリーマンにも弁論術を求める動きがある。いや、すでに求められている。
果たして時代を経て、ソクラテスはゴルギアスに敗北したのだろうか?正しさのみで人を説得するのは不可能なのだろうか?

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