2011年10月24日月曜日

3本の矢より1本の木

だいぶ前のことだが、9月21日に関東・東北地方を大風が襲った。ちょうどそのとき仙台に出張しており、帰りの新幹線が2時間遅れた。新幹線だったおかげで2時間程度の遅れで助かった。国際線の航空機では6時間機内に留められたそうだ。これも一つのエピソードだが、翌日もう一つのエピソードが待っていた。
上の写真はキャンパスのシンボルツリーが台風で折れた様子だ。この木はキャンパスのほぼ中心に位置している木なので、まさにシンボルツリーといってよい。それがあっさり折れているので、いかに台風が激しいものだったかわかる。しかし、実は、折れた木はこれだけで、他の木は無事だった。逆の見方をすれば、この木がいかに脆弱であったかを示すものだ。
写真をよく見ると、この木は複数の細い木がより合わさってできれいることがわかる。ちなみに、無事だった木はどれも根から1本太い幹がそびえるような大木だ。この木だけが細い複数の幹で成り立っている。
そこで思い出したのが、毛利元就の三矢の教えだ。1本の矢より3本の矢の方が強い。これは当たり前だ。もちろん寓話としてとらえるべきなので、あまり上げ足をとるつもりはないが、3本の矢の方が断面積が大きいのだから強いのも当然だ。言い換えるなら3倍の兵力がある方が強いに決まっている(三矢の教えは、兵力より協力を重視している)。しかし、同じ兵力だったらどうだろう。3分割した方が強いと言えるだろうか?1本の木が倒れず、複数の細木が寄り添った大木が折れたということは、いかに協力が困難であるかを示す逸話になるだろう。

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