2012年5月3日木曜日

スマートテレビについて考える

日本がスマートテレビの国際標準を考えると聞くと不安になる。
スマートテレビは決して中途半端なものであってはならない。中途半端な標準は百害あって一利なしだ。Feature Phone(と言い換えても「ガラ携」)が負の遺産に苦しむように、下手なFeature TVは決してSmart TVにはなれない。後世で別の名称に改められるだけだろう。
何が中途半端かといえば地域性や著作権の問題だ。
誰が考えてもエコのためには、すべての放送は誰かが一度録画すればよく、それを共有できない方がおかしい。録画というより発信時にVoDであるべきだ。共有と課金は別の問題だ。また、通信と放送の垣根がなくなる時、放送の規定で通信を縛ることも望ましくない。正しくは放送がなくなり通信が残る。その時、国境もなり、地域性もなくなる。言い換えれば地域放送が即グローバルになる。言語の問題はコンテンツの問題であり、通信自体の問題ではない。
理想のスマートテレビはおおよそ明らかになっている。それが実現できないのは既得権益の問題だ。
放送は通信としても有効だ。しかし、ブロードキャスト通信の一種として考えるべきだ。そのコンテンツを勝手に再利用することは犯罪であり、問題外だ。しかし、ユーザが個別に録画する意味は全くない。録画は利用者の意思を示すだけでよく、センターで録画すればよい。ユーザは後で自由に録画したコンテンツにアクセスすればよい。おそらくすべての人がすべてのチャンネルを録画することを選択するだろう。記録容量は重複排除すれば問題ない。逆に重複排除できないアナログ的なノイズや時間差を可能な限りなくすべきだ。録画コンテンツの保存のためにオンラインストレージを用いて、使用料をとることは許される。アクセスすなわち再生にも利用した帯域分の使用料を徴収してもおかしくない。Amazon S3でも似たような課金モデルが採用されている。
一方、リアルタイムの放送はなるべくそのまま表示できるようにするべきだ。BCASは国際標準に向かない。クラウド式のオープン認証にするべきだ。
テレビはクラウド家電になるべきだ。メーカーはテレビを開発する前に、テレビクラウドを開発するべきだ。メーカーの壁を越えてオープンにできればよいが、サービスの競争を奨励するために、メーカーごとに個別に開発し、オープンなプロトコルで連携できるようにすればよい。テレビとクラウドのメーカーが違っていてもよいことにする。そのための国際標準だろう。
同じメーカーのアカウントであれば、機種が変わっても同じサイトにアクセスすればよい。録画や基本操作はすべてサイトで行えるようにする。また、そのAPIを公開し、iPhone/Androidアプリでリモコン操作を行う。そろそろリモコンもいらないだろう。スマートフォンに統合した方がよい。

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