2011年2月22日火曜日

Generative Media Contents

メディアは情報の容れ物、あるいは乗り物である。情報自身に関心がある人にとってメディア自体はそれほど関心があるわけではない。しかし、情報はコンテンツであり、コンテンツはメディアに依存する。その意味では、無関心でもいられない。
コンテンツがメディアに依存するのは自明である。例えば、紙媒体の書籍には音声やビデオを掲載することはできない。電子書籍なら可能だ。電子書籍も容量には限界がある。しかし、オンラインあるいはストリーミングなら事実上限界はない。TVは放送に適する。しかし、双方向の対話には適さない。このようにメディアにはコンテンツに対する適性があり、コンテンツはメディアを選ぶ。
一方で、コンテンツを工業製品のように生産することが求められている。そのためにはメディアごとにコンテンツを開発する手間を最小化する必要がある。ソフトウェア工学は、このような問題への対処方法を持っている。モデルベースの開発だ。
ソフトウェアにおけるモデルベース開発では、モデルを設計し、そのモデルから自動的に成果物としてのプログラムを生成する。そのプログラムは複数の異なるプラットフォームに対応する。ここで、プログラム自身が複数のプラットフォームに対応するのではなく、生成系が対応するプログラムを生成するということだ。
この手法をコンテンツに適用するならば、クリエイターはモデルを作成するだけでよい。後は自動的に複数の異なるメディアに向けたコンテンツが自動生成される。メディアごとのノウハウは生成系に組み込まれる。このノウハウには熟練者の知識が使われる。
この手法の肝心な点はモデルを複雑化しないことだ。失敗例はモデルにすべてのコンテンツの属性を組み込むことだ。そのようなモデルを作成するくらいならもっとも単純なコンテンツから作成した方が時間の節約になる。
だとすれば、モデルはもっとも単純なコンテンツに近い形でなければならない。いわゆるメディアにおけるもっとも単純な形式はテキストだ。テキストコンテンツからほぼすべてを生成できるようでなければならない。よって、これはまだ夢の話でしかない。

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