2009年12月16日水曜日

日本のストレージ戦略

ストレージにも元気のよい分野とそうでない分野がある。
HDDは順調に記憶容量を増やし、いまだストレージの主役であるが、低価格化の前に苦しい戦いを強いられている。日立はIBMからストレージ分野を引き継いだが、IBMがストレージを手放したのはそれなりの理由があると考えるべきだ。コモディティ化によってコスト競争にさらされると利益がでなくなる。そのような事業は日本やアメリカのような人件費の高い先進国に向いていない。それでも設計を残し生産を委託することは不可能ではない。
今後も高付加価値をもたらすストレージはサーバ用しかない。容量、スピードそして低消費電力が共に優れたものでなければならない。
一方で、元気なのはSSDだ。こちらは半導体産業が総出で進出しようとしているので、余計に競争が激しい。
これらのことから得られる結論はHDDとSSDのハイブリッドしかない。HDDは記憶容量を担当し、SSDはスピードと省エネを担当する。キャッシュが有効に作用すれば、両立できる。
しかし、2つの点で問題がある。1つはシステム的なソリューションに対向できないことと、キャッシュが有効であるか不明な点だ。
システム的なソリューションとは、それぞれHDDとSSDを個別に購入し、システム側が両者を効率よく使い分ける方法だ。その場合、ハイブリッド製品はいずれにも勝てない。つまり、無料のソフト1つで息の根を止められてしまう可能性がある。あくまでも製造コストは下げることが前提となる。しかし、特殊なコントローラを製造する上でコストも下げるのは難しい。次にキャッシュは必ずしも万能ではない。ストリーミングなどキャッシュ容量を超えるサイズとなる場合がある。大容量ストレージの用途の1つは間違いなくストリーミングなので、これは本質的な問題だ。

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