2010年12月8日水曜日

学問のすすめ(現代語訳)

このブログでも学問のすすめを推奨した。ここで現代語訳が出版されたのを受けて、もう一度推奨しておきたい。
学問のすすめは今日に通じる名調子だ。源氏物語のような文学作本でない、いうなれば実用本が時代を超えて通用することは極めて稀だ。今日出版されているビジネス本の大半は10年後に忘れ去られているだろう。1000年保つかどうかは定かでないが、少なく
とも100年保った意味は大きい。
学問のすすめを現代語訳で復活させる仕事は本来慶應義塾塾生の仕事だろう。その意味で遅れをとったことは否めない。
義塾唯一の先生に遠慮したのだとすれば、肝心の学問の精神が緩んでいると言える。あるいはわざわざ現代語に訳す必要がないと考えたのかもしれない。そうだとすれば、世間から乖離している。
実際は塾生でも原著を読んだ人は多くないと思う。私自身、青空文庫の無料版がなければ、わざわざ読もうとは思わなかった。啓蒙書は役立つが、それほど面白い訳ではない。お金を払って読む価値があるかどうかは人それぞれだろう。
現代語訳が出ても、それで啓蒙が終わる訳ではない。お金の壁を超えなければならない。つまり一層の啓蒙を目指すなら無料の電子版を出すべきだ。その時には義塾が前面に立って貢献して欲しいものだ。

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