2007年6月22日金曜日

持続可能社会と検索指向計算

石油が枯渇するといわれて久しい。地球温暖化を防ぐために石油を節約しなければならない。
リサイクル(recycle)はだめだ。節約(reduce)が必要だ。コンピュータに携わる人間の一人として計算の節約を考える。
世間では計算といえば数学だと思っている人が多いだろう。私は計算は物理だと思っている。
私の計算は頭の中の計算ではなく現実世界の計算である。計算機はエネルギーを使って計算する。だから物理なのだ。エネルギーを節約するには計算そのものを節約する必要がある。
現在の計算機科学ではよしあしを性能で評価することが多い。それは、車でいえばレーシングカーの評価基準である。考えてみれば、おかしなものだ。車を選ぶときエンジンの性能を気にする人がどれだけいるだろう。その意味では今だ計算機は発展途上の製品なのだ。
性能すなわち計算時間を基準にするとどんなにエネルギーを使っても速く計算した方がよいことになる。そこで評価基準を変えよう。性能/エネルギーにする。すると速く計算することよりエネルギーを小さくすることが重要になる。例えば、2台で2倍の性能を得ても2倍のエネルギーを使うのでは意味がない。これは事実上並列処理の終焉を意味する。現在の計算機科学では並列処理は高性能化の決め手である。並列処理を封じられると高性能化が困難になる。
新たな評価基準の下ではパラダイムシフトが必要になる。そこで検索指向計算を提唱する。
無駄なエネルギーは無駄な計算から生じる。そこで、ある計算を既に実行し、結果が存在するなら、その結果を共有し、無駄な計算を省く。このとき計算結果は検索で求める。これを検索指向計算と呼ぶことにする。
検索指向計算では、エネルギー最小化と高速化を両立できる。

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