2008年10月3日金曜日

卵とバナナ

バナナ続きで話をしよう。
このバナナブームが終わった後、バナナの価格はかなり高くなるだろう。販売量は下がっても利益は下げないのが企業だ。すると単価を上げることになる。ブームの後にも買い続ける客は忠誠度が高いので高くても買うと思っているのかもしれない。
バナナは卵と同様、価格の優等生だった。いずれも昔は高価で病人食だとされていた時代もあった。しかし、生産効率が向上し値上げせずにずっと価格を維持していた。しかし、最近では両方とも価格が高くなった。生産業者が音を上げたというところかもしれない。
バナナの対比で卵の話をする。
卵はちょっと前まで1個10円だった。そう昔のことではない。高々10年ほど前のことだ。それ以来デフレが続いているので物価は上がっていない。よって、卵だけが突出して高くなったといえる。ちなみに現在の卵は1個30円くらいする。実に3倍だ。
卵が高くなったのはブランド戦略のためだ。もちろん利益率を改善するためなのはいうまでもない。しかし、卵にそう大きな違いはない。味や栄養に極端な差はないので、単に宣伝効果といってもよい。その結果、一部のブランド卵だけでなく一般的な卵の価格も上がった。特に宣伝しなくてもトップランナーに追随するだけで価格を上げることができる。このようなブランド戦略は欠陥がある。
バナナもしばらく優等生だったが、近年栽培法を工夫し、おいしさをアップさせた高級バナナが普及してきた。高級バナナは従来品より2倍くらい高くなった。しかし、おいしさの度合いは価格と比例はしていない。まずくはないし、少しおいしいのだろう。しかし、価格ほどおいしいとは思えない。しかし、今や高級バナナしか店頭にはない。
その上、今度のブームで価格が理由もなく上がれば、卵のように従来の3倍になるだろう。
現代では、収入を増やすことは容易ではない。それゆえ、食料品などの価格を下げることで相対的に暮らしを楽にするしかない。しかし、バイオ燃料や石油の値上げも相まって食料品は高騰を続けている。自由主義では価格を統制できない。また、する意味がない。やはり、困難だが収入を改善するより手がないかもしれない。

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