2009年11月13日金曜日

グリッド暖房と自然エネルギー

小さな矛盾について考えている。
職場では、パソコンをたくさん使うので、その熱だけである程度暖房代わりになる。これを称してグリッド暖房と呼んでいる。
グリッドには、ある意味で矛盾がある。資源を有効活用するために生まれたグリッドだが、活用するほど無駄が生まれる。有効活用できるのは遊休資源であり、これを使えば電力を消費する。遊休のままであれば無駄な電力は消費しない。グリッドの計算が資源の所有者にとって必要であれば無駄ではないが、多くのグリッドでは必ずしも資源の所有者のために利用しているわけではない。よってボランティア的な利用のために電力を無駄にすることになる。これが地球温暖化問題における省エネの目的と真っ向から反する。また、組織内での計算であってもグリッドで行うより限定された資源を100%活用する方が電力効率がよい。そのため、環境問題が注目される中、グリッドは過去の技術となりつつある。
しかし、冬場は暖房代わりに遠慮なくグリッドを行うことができる。グリッドの無駄なエネルギー消費も暖房として有意義に利用できる。代わりに空調のエネルギー消費を削減できる。そのため冬こそグリッドの季節だ。
しかし、ここで自然エネルギーが登場すると、少し話が変わってくる。全体のベクトルは変わらないが、微調整が必要になる。自然エネルギーでグリッドを稼働させる場合、グリッド自体が屋外に出ることがある。これは問題だ。なぜなら熱源が部屋の外に移動してしまうため、改めて暖房を行う必要が出てくるからだ。
そこで、冬場はグリッドを室内に配置し、自然エネルギーを外から取り込む。こうすることで一種のヒートポンプのようになる。
しかし、冬場はよくても夏場は困る。夏場は室内の熱を外に逃がす必要がある。しかし、グリッドは内から外へのヒートポンプにはならない。室内にどんどん熱がたまる。よって、冷房のエネルギー消費が増える。
これを避けるには、夏場はグリッドを室外に移動させる必要がある。しかし、かなり大きな設備になるため、気温に応じて気軽に移動することは困難である。
結局、冷房のためにさらに自然エネルギーを利用することしかうまい解決法はない。

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