2009年11月18日水曜日

スパコン凍結

地球シミュレータの成功で日本のスパコンが脚光を浴びたが、今では見る影もない。予算も凍結されそうだ。凍結されれば、いよいよ終わることになる。
今のプロジェクトはNECや日立が抜け、富士通1社によるプロジェクトになっている。科学的には重要だが、ビジネス的には意味がない。凍結されるのも当然だろう。
日本のスパコン技術は衰えたのか、それとも他国の進歩が早かったのか、おそらく後者だろうが、もしかしたら両方かもしれない。
まず、技術が衰えたというより、もともと大したことはなかったのかも知れない。たまたま流体力学に特化することで、ベクトル型が成功した。これが地球シミュレータだが、これは特異点だったのかもしれない。スパコンにおけるガラパゴスだったのかもしれない。
ステアリングにも大きな問題があった。世界的なトレンドを無視してベクトル型に固執した。その結果、最終的な目標を達成しても世界のトップには大きく差を付けられたままになる。よって、プロジェクトを継続する意味はない。科学の進歩は既にスカラ型で進行中だ。
成功が失敗に転じた興味深い例だろう。過去の栄光がイノベーションにとってマイナスになることの見本ともいえる。

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