2009年11月2日月曜日

Linuxの開発期間とシステムの運用期間のずれ

OSSのよいところは対応が早いことだ。実際、Linuxのディストリビューションの中には半年ごとにバージョンアップすることもある。しかし、このようなアジャイル的開発は実際の運用と微妙にずれている気もする。
システムはいったん導入すれば滅多に変えることはない。予算的に変えられない。少々の手直しはあっても大々的に変更することはできない。そして、システムの運用期間はその開発コストが回収されるまで続く。一般的には4〜5年と言ったところだろう。これはLinuxのリリース間隔に比べてあまりにも長すぎる。
どちらがよいかどうかの話ではなく、ミスマッチが起きているということだ。
例えば、開発したシステムのOSにOSSのLinuxを採用し、それが運用中にバージョンアップされた場合、システムのOSを入れ替えるかどうかの判断にせまられる。しかし、安定して動作しているものをわざわざ変えたい運用者はいない。しかし、セキュリティパッチなどは最新版が基本となり、あまりに対応が遅れるとセキュリティリスクが大きくなる。
理想的には、どのようなリリースに対しても長期間サポートしてくれることだが、OSSのコミュニティでは最新版開発に全力を挙げ、それ以外のサポートに回す余力はないだろう。Ubuntuの長期サポートのように、節目となるリリースがあれば、それでもよい。しかし、システム運用期間を5年とみると、ちょうどサポートの終わり頃に開発されたシステムは、少なくとも10年はサポートを続けないと途中でサポートが打ち切られることになる。
リリースは短くてもよいが、サポートは長くなければならない。やがてサポートのコストの方が高くなる。これからは、どのようにリリースするかだけではなく、どのようにサポートしていくかも考える必要があるだろう。

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