2011年3月13日日曜日

M9.0

東北地方太平洋沖地震のマグニチュードが改定された。当初から順にM8.4, M8.8, M9.0と次々更新され、最後はインドネシアの地震と同規模になった。TVによるとM9.0以上の地震はこの100年間に4回しかなく、最高はチリのM9.5だそうだ。その時の死者は1600人らしい。
最初この数字を聞いた時には、過去最大の地震の割には妙に少ないと感じた。しかし、同一に比較できないかもしれないが、現時点での今回の死者は44名だという(その後580名に増加)。これが正しければ0.5の差は大きな差だといえるだろう。
しかし、実際にはまだ集計が不十分で多数の行方不明者が含まれていないのだと思われる。沿岸の人口密集地が被害にあったことからしても決して少数ではありえないだろう。これからどこまで被害が拡大するかわからない。
今回の地震の被害については2つ指摘しておきたいことがある。
1つは被害の確認が容易でないことだ。1日たってもなかなか被害の全容が分からない。特にTVを見ていたのではさっぱりわからない。TVはもっと報道の仕方を考えるべきだ。同じような映像ばかり流して時間を無駄にするよりもう少し有意義な情報を流すことに努力するべきだ。例えば、一番被害の大きなところだけを報道するのではなく、むしろ被害の範囲を網羅的に伝えるべきだ。また、個人の消息を確認する手段としてTVは適切とはいえない。TVは電話でも伝言版でもないので、より公共性の高い情報を優先するべきだ。話が報道にずれてしまったが、被害を正確に伝えるのは必ずしもマスコミの役割ではない。むしろ公的機関の役割だ。その点では公的機関のホームページなどが重要だ。
もう1つは今回の地震のタイミングは不幸中の幸いであったということだ。これが夜間や明け方であれば避難が間に合わなかったろう。そうなればもっと死者が増えていたはずだ。もちろん都心では帰宅できない人が多かったが、それは人命に影響するほどのものではない。また、いち早くTVで報道されたため、事態の深刻さに気づいて避難できたという人もいただろう。昼時でもなかったため火災の発生も比較的少なかったのではないかと思われる。これらは些細な好運だろう。しかし、それでもなお被害は大きいというべきかもしれない。最後に、曜日も幸運だった。土曜日ならもっとよかっただろうが、金曜だったため翌日は休日という人が多かった。被災してなお仕事に行かねばならないということはないだろうが、連絡さえできない状況で職場は大いに混乱しただろう。しかし、被害の軽い地域ではこの週末の間にある程度の復旧が済んだのではないかと思う。これは効率的な復旧だったろう。軽被災地の対処が済んでいれば、重被災地への支援に専念できるだろう。

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