2009年4月28日火曜日

MMORPGを用いた持続可能社会の実験

資源が開発し尽くされた地球上では、すべての資源を取引しなければならなくなる。利益を上げるには、資源の原価に価値を付加する必要がある。価値はアイデアで高めることができるが、資源が高くなりすぎると相対的な割合が低くなる。このような非現実的な経済の実験をMMORPGでできないか考えてみる。
MMORPGといえばゲームだが、SecondLifeのようなメタバースを含めてもよいだろう。エージェントプログラムのみが参加するシミュレーションではなく、ある程度の人間が参加し、知恵を使わなければ生きた経済にはならない。
今のMMORPGの運営では、運営会社の都合でイベントを起こし、経済を誘導している。これは無から有を生み出すようなものだ。現実貨幣を仮想貨幣に変換する仕組みと言ってもよい。これは利益を追求する会社の目的には沿っているが、この記事で提案するような目的には合わない。そのような作為的な仕組みができないものとし、資源を有限に限ったとき、果たしてゲームが成り立つのか考える必要がある。
資源がなくなっても娯楽がなくなるわけではない。生活が続く限り、娯楽は必要だ。しかし、資源の枯渇した世界ではあまり楽しい娯楽はないかもしれない。そうなるとゲームとしては成立しなくなってしまうかもしれない。
また、ある意味では、平等な世界が実現されるのかもしれない。誰も資源を独占できないので、労働と資源がバランスする。これは苦労した労働の対価としてレベルアップを受け取るのと似ているようにも思える。
このような世界の中で大規模な事業をすることはかなり難しい。資源をたくさん集めることは、コストが指数的に増えることになると予想されるからだ。そうなるとインフラが衰える。低コストのインフラを効果的に整備することが必要になる。人の手で直接生み出せない大きなものは非常に高価になるだろう。
ゲームの中では貴重なアイテムに修練していくことが多い。アイテムの合成などが行われるゲームでは特に、価値の低いありふれたアイテムから貴重で高価なアイテムを作り出す作業が好まれる。これは生産に他ならない。しかし、ある程度貴重なアイテムが普及したら、急速に価値が下がる。今で言えば車が普及したために、欲しい人が減った。もの以外のサービスに価値が移っている。
ゲームの中でサービスへの代価は表現が難しい。クエストはサービスそのものと言えるかもしれない。しかし、普通の人がクエストを依頼することはまずない。

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