2008年7月17日木曜日

マシンの次に仮想化されるもの

仮想マシンは、物理マシンの稼働率を高めるために有効な手段である。忙しい人に仕事を集中した方が効率よく仕事してくれるという、実世界にも適用可能な、ある意味皮肉な教訓を示している。
もちろん仮想マシンの目的は稼働率向上だけではない。物理マシンがないときに性能を落としても仮のマシンを提供してくれる。WindowsでLinuxを動かしたり、Max OSでWindowsを動かしたりするのがよい例だ。
しかし、データセンターなどで仮想マシンが使われるのは専ら稼働率を向上させることが目的だ。それによって物理的なマシンを削減することができる。
本来は仮想マシンなど使わなくてもシステムを作りなおせば、最適化されたシステムを構成できる。その方が効率は良い。しかし、その開発コストはばかにならない。その意味では、仮想マシンはレガシーを延命する手段でもある。
仮想マシンを使うとマシン自体を大きなソフトウェアコンポーネントとして扱うことができる。特にWebシステムはOSに依存しないので、無料のLinuxを活用し、いくらでもコンポーネントを生産できる。しかし、このような巨大コンポーネントには無駄が多い。せっかく仮想化しても無駄を残したままではもったいない。そこで、次の仮想化はマシンからアプリケーションサーバへ焦点が移るものと考える。
仮想アプリケーションサーバとは、WebアプリケーションからはApacheやIISのように見えるが、実は異なるというシステムだ。アプリケーション間の相互依存性を極力排除し、安定した動作を、スケーラブルな性能を両立することが目的になる。
このような仮想アプリケーションサーバが登場すれば、ホスティングサービスもかわるだろう。仮想マシン上に仮想アプリケーションサーバを配備し、いくらでもアプリケーションを増やすことができる。

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