2008年7月12日土曜日

P2P vs Cloud

このブログでは「P2Pのたそがれ」と題して、P2Pを取り巻く環境が変化してきたことを述べた。
今回は、P2Pとクラウド(Cloud)を比較してみたい。
P2Pはサーバを小さくし、その分クライアントを活用する技術だ。それに対してクラウドは、クライアントを小さくし、サーバを拡充し、それを活用する技術だ。世の中全体の流れはクラウドに有利に向かっている。
P2PではPCがクライアント兼サーバになる。よって、P2Pでは上りだけでなく下りにも十分な帯域が必要になる。FTTHならば問題ない。しかし、ASDLでは不十分だ。携帯ではHSDPAでも不十分で、HSUPAが必要になる。これはネットインフラ全体の底上げが要求される。つまり、P2Pはサーバのコストを減らした分、クライアントだけに転嫁するのではなく、ネットワークにも転嫁しているわけだ。
もっともネットワークに負荷をかけるのはクラウドも同じだ。しかし、クラウドの場合、圧倒的にダウンロードの比重が高い。これは現在のネットワークモデルに適している。
クラウドの問題点は、クラウドプロバイダの信頼性(trust)と攻撃に対するぜい弱性だ。プロバイダを信用できないか、事業継続を最優先するならP2Pも考慮する必要があるだろう。

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