2008年5月1日木曜日

Hackingの楽しみ

PNDでも話したが、iPodやEee PCなどの格安商品にはそれまでにない魅力が付加されている。
それはユーザ自身がHackingできること、またはHackingする楽しみを味わえることだ。安いので壊しても気にならない。気軽にいろいろなことが楽しめる。これがユーザを強く魅了し、他の追随を許さない強い忠誠心をもったユーザを囲い込むことにつながっている。
このような視点で考えると、既存の高付加価値戦略とは異なる戦略が見えてくる。つまり高価値創造戦略とでもいえるものだ。製造者がきまりきった価値を押しつけ、高く売りつけるのではなく、ユーザが必要に応じて自ら価値を付加する。
初期機能で十分なら単なる低価格品だが、初期機能に満足しないユーザもサードパーティ製品などを用いて機能を追加できる。拡張性といってもよいかもしれない。しかし、既存の拡張性とは異なる。なぜなら、iPodもEee PCもメーカーが規定した拡張性は無に等しいものだからだ。新しい拡張性はユーザの側で生まれる。しかも、メーカーの予想を超えるものとなる。
これから高価値創造戦略をとるならば、自分たちの予想を超える使われ方を予想するという一見矛盾した発想が必要になる。しかし、決して難しいことではない。設計段階で断念した機能を後付けできる余地を残しておけばよいのだ。
高価値創造型商品は製品そのものを売るというよりHackingの楽しみを売る大人の玩具と位置付けてもよい。

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