2011年1月26日水曜日

温故知新

温故知新は論語の言葉だ。ふるきをたずねて新しきを知るという意味に捉えることが多い。また、歴史から未来を学ぶと解釈することもある。
最近、現代訳語の論語が出版された。それによると古いものを知ると同時に新しいもののよさもわかることだという。微妙に意味が違う。
一般論でいえば、古いものをたくさん知っていても、必ずしも新しいことを発明・発見をできるわけではない。前者は知識、後者は知恵の問題である。
また、歴史をいくら学んでも未来を予測することはできない。これは現代科学が示す真実だ。しかし、臨界状態やカオスなどを除けば、大きな慣性が働く未来は容易に予測可能で、変えることも困難である。どんなバタフライ効果も夏に雪は降らせない。要は程度問題といえる。
しかし、現代語訳のような解釈をすれば誰もが納得できる。それは知恵も未来も関係ない。古いものも新しいものも両方包容できる人間性あるいは柔軟性が師の資質の一つだということだ。若者を教える教師であれば当然であろう。

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