2009年3月23日月曜日

フラット化した時代故の金融恐慌

フラット化はグローバリゼーションであり、均一化を意味する。多少の役割分担はあるにしても、スキームをまねできればコスト競争に陥る。
今回の金融恐慌も世界中に波及した一因はフラット化にある。例えるなら天然の防波堤を均一化してしまったためだ。多様性こそ天然の防波堤だ。しかし、それがフラット化により一様となり防波堤の役割を果たさなくなった。
しかし、かといってフラット化を否定することも難しい。フラット化を否定し、多様性を重視しようと口で言うのは容易だが、世の中がフラット化したのには理由がある。その理由を無視することはできない。その理由とは経済効率だ。フラット化した方が経済的に効率が良い。つまり、フラット化した方が経済競争に勝つ。
したがって、多様化を強制すると、強制された方は競争に不利な条件を押し付けられることになる。フラット化は利益につながるが、多様化は利益の保護にしかならない。
企業は利益を保護するために保険を支払っている。しかし、保険会社が補償できる額には限界がある。今回の恐慌も限度を超えたために発生した。
両者はトレードオフの関係にある。積極的な戦略ではフラット化を重視し、消極的な戦略では多様化を重視する。近視眼的な評価では前者の方が圧倒的に有利だ。後者が評価を受けるのは非周期的に発生するバブル崩壊のときでしかない。投資側にそれでよしとする甲斐性が求められる。

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