2007年7月31日火曜日

マルチキャストはつらいよ

インターネットでは、IPプロトコルというものが使われている。プロトコルとは機械が話す言葉のようなものだ。インターネットに接続できる機器はすべてIP言語を話すと考えればよい。
このIPプロトコルにはマルチキャストという仕様が決められている。マルチキャストとは一対多通信のことだ。ちなみに、電話のような普通の一対一通信はユニキャストという。
このマルチキャストはあまり使われていない。マルチキャストの研究はさかんに行われている。技術もずいぶん進歩している。しかし、マルチキャストを何に使うかが問題だ。使える応用がないのだ。
最初はビデオ配信に適していると考えられた。確かに、マルチキャストを使えば劇的にトラフィックを削減できる。しかし、インターネットでビデオをみる人はTVのように全員同時に同じものをみるわけではない。皆違う時間に違うものをみる。インターネットでTVと同じ方法で放送してもサービスの後退にしかならない。そして、時間が違えばマルチキャストは使えない。よってマルチキャストは使えない。
否定的な意見ばかりでは意味がない。マルチキャストが使える分野を考える。
それは緊急放送だろう。地震速報、津波速報などに使える。しかし、これらの速報はTVの方が適している。地震が起きてからPCを開く人はいないだろう。その意味では地震が起きてからTVをつける人もめったにいない。しかし、PCよりTVをつけている人の方が多いだろう。だから、TVの方が適している。
しかし、もう一歩考えてみよう。今はブロードバンド時代でありADSL,FTTHなど常時接続が日常的である。だからルーターはTVよりいつでも稼働している確率が高い。電話のようなものだ。事実IP電話というものもある。いくら世の中省エネといえどもPCを使うたびにルーターを立ち上げる人はいない。
そこで、ルーターにメディアプレーヤとスピーカを内蔵し、防災製品にすればよい。地域専用の行政放送が可能となる。
ただし、あまり活用しすぎると、敬遠されるので元も子もない。

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