2007年7月2日月曜日

GoogleはMicrosoftの敵ではない

最近のブログを読んでいるとMicrosoftとGoogleが争っていて、Microsoftが負けるかのような扇情的な記事が目立つ。
しかし、これは間違っている。
確かに、GoogleはOfficeに対抗できるDoc & Sheetを持っている。しかし、Office対抗馬の本命はOpenOfficeだ。Doc & Sheetはストレージサービスも一体となっている。それゆえに、限界がある。Googleとて無限のストレージを提供してくれるわけではない。あくまでメールの添付や一時的な使用が中心だ。そのようなものがOfficeにかなうはずがない。
ただし、教育目的には十分だろう。学校は発想を転換してオープンなツールを積極的に使うとよい。
そもそも、Googleの得意分野はブラウザの中に限定されている。
確かに、デスクトップ検索やGearsはインターネットの外までターゲットに入れているが、いずれもブラウザを使うことに変わりはない。
おそらくGoogle自身がOSを作ることはないだろう。Web OSならありえるが。
その理由はOS開発の生産性の悪さにある。OSは重要なソフトだがそれだけでは何もできない。ユーザーがお金を払うのはあくまでもアプリケーションに対してである。アプリケーションを動かしたいのでしかたなく購入するソフトがOSだ。したがって、買いたたかれる。Microsoftがそんなビジネスを成立させているのは1社独占状態だからだ。他の企業は自社開発を断念し、オープンソースにゆだねている。Googleは決してそのような実りの少ない市場へ参入しないだろう。
そもそもGoogleのビジネスはサーバ資源の活用(とそのためのクライアントの活用)にある。クライアント自身を作ることではない。
よって、Googleは巨人Microsoftの手の中で踊る孫悟空のようなものである。パソコンがなければGoogle自体成立しない。
もちろん、インターネットはパソコンだけのものではない。しかし、MicrosoftのOSはスマートフォンやゲーム機の市場まで制覇しようとしている。よって、GoogleがMicrosoftの手から逃れることはできない。
ある意味、GoogleとMicrosoftの関係はMicrosoftとIntelの関係に似ている。しかし、MicrosoftはIntel以外のチップに対してもOSを供給しているので、完全に対等の立場にある。一方、GoogleもIE以外のブラウザで動作するが、ブラウザを動かすOSはMicrosoft社製である。デスクトップのLinuxなどほとんど普及していない。
ゆえに、GoogleはMicrosoftの敵ではない。むしろ、MicrosoftのWindows Live戦略に飲み込まれないように盛んに努力しているところだ。Microsoftにはある程度の失敗を許容できる財力があるので、じっくりLive戦略に取り組めばよい。Googleは決して安穏としていられる立場ではない。常に、スピードある開発が要求される。Googleが優秀な人材を雇用する理由もそこにあると考える。

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