2007年7月31日火曜日

参院選の争点

7/29参院選があり、自民が歴史的大敗を喫した。
これ自体は前評判通りの結果であり、驚くに値しない。
むしろ、前評判が高かっただけにバランス感覚を働かせ、自民党に投票した無党派層もいたであろうから、実際にはもっと厳しい結果が出たとしても不思議ではなかった。
しかし、国民は自民党の何を否定したのかを考えておく必要がある。なぜなら、ひいき目にみても民主党の政策が全面的に支持された結果ではないと思うからだ。どうみても自民の一人相撲で自滅したとしか思えない。しかし、民主党の主張一部が受け入れられた点は確かにあると思う。
(原因1)反小泉の台頭
小泉前総理には太刀打ちできなかった勢力が安倍総理なら組みやすいと考え、決起した。これはむしろ与野党の間の問題というより与党ないの問題だ。与党が一致せず、一枚岩になれなかった。小泉時代には厳しい圧力がかけられていた。それをよしとする人にとってはまとまることができた。たとえるなら、固い岩に力を加えれば割れるが、大きく分裂し、細かくはならない。しかし、やわらかい岩はこなごなになる。一言でいえば求心力が足りなかった。
しかし、これはやむをえない。小泉前総理と同じことをするのは不可能だし、意味がない。
(原因2)経済政策への批判
これは確かにあるだろう。小泉時代から明確に「弱者切り捨て,格差拡大」の路線を突き進んできたからだ。自民党が模範とするのは米共和党の政策だ。いうなれば強者を生かし、その富を緩やかに分配する、まさに自由主義である。一方、そのアンチテーゼとして民主党が模範とするのは同じく民主党の政策だ。自由主義だが、積極的に富の分配を促す。少数の富裕者と多数の貧困者という図式なら常に民主党が勝つはずだ。しかし、実際には米政治はそうなっていない。絶妙なバランスで両者が交代する。おそらく米国民は共和党の政策が有効であることを経験的に知っているのだろう。しかし、かつて1億総中流といわれた日本国民にとって共和党的政策は初めての経験で、その結果に対する信頼性が低かったのではないだろうか?もし、これで自民党が政策転換したら政策の真価を問う機会は当分失われるだろう。
(原因3)ゴシップ
実はこれが最大の問題だと思っている。確かに、年金問題、失言問題と立て続けに問題が発覚し、わずかな得点も無効とされてしまった。その責任を総理一人に押し付けるのは無理がある。これらの問題はいずれもささいな問題であり、政策的には重箱の隅にも当たらない。単に過去の過失である。年金問題にしろ事務的対応はすでに終わっている。これらはゴシップにすぎず、今回の選挙はゴシップに翻弄された結果と思われる。不自然なほど一度にゴシップが噴出した。もし、これが演出なら1億人がみごとにだまされたことになる。しかし、実際に火があるから立った煙である。
長年のつけを払わされたということだろう。しかし、実際にはつけを払いきってはいないので、今後もつけこまれる余地は多いにある。
政治家にも責任はあるが、それよりもゴシップに踊らされてマニフェストも検討しない、そんな意識の国民の方が問題だ。(自分も含めて)この国民に憲法を選べるのだろうか?

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