2007年12月30日日曜日

クラウド

IT業界では新しい概念が次々と登場する。これらが最初に英語で登場し、適切な日本語訳がないので、カタカナのまま使われる。その結果、元の英語がわからなくなってしまうことがある。
最近では「クラウド」が要注意の言葉だ。
クラウドには、群集を表すcrowdと雲を表すcloudがある。前者は集合知(wisdom of crowd)やクラウドソーシング(Crowdsourcing)として知られる。後者はクラウドコンピューティング(cloud computing)として知られる。両者は似て異なるものだ。これらを正確に区別して使う必要がある。
群集が重要なのはWeb 2.0からも明らかだ。コンピュータだけでは解決できない高度な知的生産を多数の人の知識を駆使して解決することがWeb 2.0の本質の1つでもある。
Cloud computingはGoogle CEO Eric Schmidtの提唱といわれる概念で、計算を雲で表されるインターネットで行うものだ。自分なりの解釈を交えると、単独のサーバではなく実体のとらえにくいサーバ群により処理が行われると考えられる。Googleの検索が代表例だが、P2Pも含まれるだろう。要は「あちら側」ならどこでもよい。
ところで集合知はwisdom of crowdが正しいが、これをもじってBusiness Weekに「Google and the Wisdom of Clouds」という記事が掲載された。これでよけいに混乱する人が増えたのではないかと思う。
実を言えば私もその一人だ。そのため、この記事でこれらを整理したいと考えた。

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