2007年12月2日日曜日

グループウェアとは

実はグループウェアとは何かと改めて問われるとうまく解答できない。
グループのコミュニケーションを円滑にするツール一式だというところまでは了解している。
しかし、その先で、具体的にどのようなツールから構成されるのかといえば、グループウェアによって違うとしかいいようがない。
それではミニマムセットは何かと問われれば、メッセージ(メール)とスケジュールだろう。これにファイル共有が高い率で加わるかもしれない。
しかし、これらのツールはもはやどこのポータルサイトでも無料でサポートされている。
昔は無料のポータルでは容量の制限が厳しかった。しかし、Googleの登場により他のポータルもほぼ無制限に容量を拡張し始めた。その結果、グループウェアの基本機能は無料で実現できることになった。
そのような今日、改めてグループウェアの本質を考える。
するとグループウェアがサポートするのはあくまでクローズドグループであることが重要だと思う。
一般的なポータルでは公開か非公開のいずれかであり、グループを特定することが難しい。可能ではあるがファイルごとにアカウントを列挙する方法でグループを形成するのは現実的でない。その意味ではグループウェアの本質はグループを管理することに他ならない。
よって、メッセージやスケジュール、ファイル共有には既存のポータルサイトをそのまま利用し、グループ管理部分に特化した製品が登場してもおかしくない。このような製品はマッシュアップで比較的容易に実現できるだろう。これが次の時代のグループウェアではないかと考える。
例えば、一般的なメールだけでグループウェアと同じことはできない。なぜなら、送信者の証明が困難だからだ。それを気にしなければグループウェアと主張することもできるが、それを真に受けてくれるお人よしばかりではない。
現実のグループウェアは、その問題をインターネットメールとは別にイントラネットメールを使うことで解決している。イントラネットメールは実のところ送受信者をグループとした掲示板にすぎない。それはメールに比べて極めて効率よいが、かなり異質な利用感を与える。
メールで送信者を特定するにはPKIが不可欠だ。しかし、ほとんど利用者がいない。しかし、ポータルサイト自身がPKIを提供すれば、容易にPKIを普及させることができる。
後はグループ名をユーザ間で要求できるアドレス帳の機能があれば、最低限のグループウェアが無料のプラットフォーム上で実現する。
現在グループウェアは様々な模索をしているが、本質的な部分の改善ではないように思える。例えば、Ajaxを使ってOfficeのようにすることは確かに重要だが、実装の問題だ。また、SaaSになることも必然であろうが、特に大きな変化ではない。この程度の変化では、ここで提案した無料のグループウェアに太刀打ちできないだろう。
よって、誰が本質的なサービスをいち早く立ち上げ、サポートや広告などで利益を上げるビジネスモデルを展開するかが問題だ。

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