2007年12月30日日曜日

ITSで自動車業界が滅ぶ?

ITSで自動運転が可能になるかもしれない。ちなみに、ITSは夢の技術ではない。また、必ずしも自動運転を目指すものでもない。よって、これは仮定の話だ。
ITSで自動運転が可能になれば、車は単なる移動手段になる。
そのとき自動車事故や飲酒運転が減り、ばら色の未来が訪れるかのように見える。
しかし、運転する楽しみがなくなる。
人命のためには多少の嗜好は制限されてもしかるべきだと考える人は少なくないだろう。また、基本的には運転が好きでもいつも運転したいとは限らない人も多い。例えば、移動中に急ぎの仕事をしたい人などだ。
しかし、問題はそれ以上に深刻かもしれない。
なぜなら、運転する楽しみがなくなれば、単に走りさえすれば車になるということを意味する。運転しないなら多少の乗り心地は無視できる。誰がタクシーの乗り心地に文句を言うだろう。
そうなると、決め細やかなチューニングが不要となる。今の車は統合型商品だといわれている。これは単に部品を組み合わせるだけでなく細かなすりあわせを必要とするからだ。しかし、チューニングが不要なら部品を組み合わせるだけで作られるモジュール型商品になってしまう。
モジュール型商品はアメリカを始め、中国などの得意分野だ。少なくとも日本企業は太刀打ちできない。
したがって、自動運転という夢の技術を追求すると日本の大きな産業の一つである自動車産業自体が国外に流出せざるをえないということになる。自動車産業を失った日本にどんな産業が残るのだろうか?それまでにロボット産業が育っているだろうか?あまり楽観できない。

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