2007年12月30日日曜日

学会公認OSS

日本医師会が開発したOSSの診療報酬システムが順調にシェアを獲得している。
これにはいくつかの理由がある。
もちろんOSSだから無料であるという点は非常に大きい。
しかし、独自開発のOSSでは必ずしも、これほど成功はしなかったろう。日本医師会という学会が公認している安心感が大きい。医療の現場では日本医師会の影響は絶大だろうと想像する。
さらに、診療報酬システム自体が特に革新的なものではなく、決められたルールに基づき処理するルーチンワークである点も見逃せない。このようなルーチンワークはOSSの格好の標的となる。そのようなサービスを提供している企業はOSSの脅威にさらされるはずだ。同じような状況がECやグループウェアにも当てはまる。何らかの特色を持たないサービスはOSSによって淘汰される。
ルーチンワークとなった業務はOSSにシフトする。これは正しい進化だ。既存企業はその進化に対応すべくサービスそのものを進化させなければならない。
評価すべきは日本医師会の態度だろう。日本医師会が病院第一の組織である点が幸いした。他の学会では企業が構成員となるのでその企業の営業を圧迫するようなOSSを開発することは難しい。しかし、OSSは確実に病院の経営を助けてくれる。医療会計企業も多いが医師会にとっては関連業界より病院の方が重要である。他の学会に医師会の真似ができるかどうかは疑問だ。
しかし、このブログではかねてから主張しているように日本のサービス業の生産性を上げるためにはルーチンワークを積極的にOSSに移転し、コストを削減するしかない。特に自治体業務をOSSにするべきだ。自治体には学会がないだろうが、政府がいるので開発は可能だ。

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