2008年2月27日水曜日

研究テーマは予算が決める

予算が豊富な国立大では大規模なプロジェクトに取り組むことができる。スパコンを導入して、先端科学を探究できる。
一方、予算が少ない私立大では小規模なプロジェクトにしか取り組むことができない。大規模プロジェクトも不可能ではないだろうが、継続的に実行することは困難だ。なぜなら、そもそも小規模向けのテーマしか持っていないからだ。
テーマは研究者の環境に大きく左右される。貧乏人が金持ちのようにふるまってもすぐに資金が枯渇する。だから金がなくてもできるテーマを探す。そして、そのようなテーマを続けていれば、大きなテーマにチャレンジすることは難しくなる。
テーマと予算は卵と鶏のようなものだ。
普通なら「この連鎖を断ち切るべきだ」と主張するところだが、よく考えるとそうともいえない。ある意味では役割分担ができている。小さなテーマの多数と大きなテーマの少数を比較して、大きなテーマばかりを持ち上げるのは正しくない。小さなテーマは決定打にならないかもしえないが、大きなテーマを細分化したもので、そのすそ野の広がりが大きなテーマの失敗を回避する保険となっている。

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